2018 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between prebiotics and insulin signaling in kidney: Novel approaches to the treatment of CKD using intestine-renal connection
Project/Area Number |
17K09720
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
美馬 晶 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (00432401)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内フローラ / 慢性腎臓病 / インスリンシグナル / インスリン受容体基質 / プレバイオティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
CKD患者の腸内フローラが悪化し、尿毒症物質の増加に伴い腎機能が低下することが考えられる。本研究ではこれまで明らかにされてこなかったプレバイオティクスによる腸内フローラ改善がもたらすインスリン受容体基質(IRS1)を中心とするインスリンシグナルへの影響と腎保護効果を明らかにする。昨年度の検討では腎不全モデルマウス(5/6腎摘出モデル)はsham群に比して尿中アルブミンは増加したが、腸内フローラに関しては統計学的有意差は認めなかった。本年度は腎不全モデルラット作成後の観察期間を2か月に延長するともにプレバイオティクスとしてラクツロースを投与し、再検討を行った。sham、5/6腎摘出、5/6腎摘出+ラクツロース投与群(10%餌含有)に分け、インスリンシグナルを確認するために下大静脈よりインスリンを注射した後に糸球体を採取した。実験前体重はsham、5/6腎摘出、5/6腎摘出+ラクツロース投与群それぞれ358.9±32.3、339.7±37.8、349.6±24.6gであり、後体重はそれぞれ526.8±62.1、496.1±28.9、498.4±51.2gとなり体重減少は認められなかった。食餌量はそれぞれ20.1±1.5、20.1±1.0、20.3±1.0gと差を認めていない。飲水量は腎不全を誘発することで著明に増加した(sham 22.8±2.4ml、5/6腎摘出 41.6±5.1ml、5/6腎摘出+ラクツロース投与群 43.7±3.4ml; P<0.01 vs. sham)。腎性貧血を確認する目的でヘマトクリットを測定したところ腎不全ラットではヘマトクリットの低下を認めたが(sham 54.0±3.7、5/6腎摘出48.3±3.6%; P<0.01 vs. sham)、ラクツロース投与群では51.1±4.1%まで回復した(P<0.05 vs. 5/6腎摘出)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸内フローラから抽出したDNAを増幅させて、次世代シークエンサーで配列を決定し、データベース上で腸内細菌の所属を網羅的に解析する(パイロシークエンス法)予定にしているがまだできていない。インスリンシグナルへの影響を調べるためSDS-PAGEによるチロシンリン酸化IRS1の発現を確認中である。
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Strategy for Future Research Activity |
腎不全の期間を延長することで腸内フローラ悪化が生じている可能性があり、次世代シークエンサーによる腸内細菌の精査を進める。また、インスリンシグナルへの影響をリン酸化IRS1、Akt等の発現変化により確認する。
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Causes of Carryover |
(理由) 交代、試薬といった消耗品の購入、計測費用として支出する予定であったが、前者については国内在庫が枯渇しており当該年度内での購入が困難であった。後者については当該年度内に検体がそろわなかったため。 (使用計画) 次年度使用額として計上し、実験遂行に必要な消耗品の購入と計測費に対して主に使用する予定である。より計画的に使用する。
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Research Products
(12 results)