2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of intestinal microbiota and barrier function in chronic renal failure and therapeutic strategy
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17K09722
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70449891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長洲 一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40412176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腎不全 / 腸内細菌 / 尿毒素 / 腸管透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
<慢性腎不全モデル動物の作成と腸内細菌叢変化の検討> 5週齢雄性ICRマウス (対照群) および、自然発症ネフローゼICGNマウス (医薬基盤・健康・栄養研究所実験動物研究資源バンクより購入) を用いた。本マウスでは生後7-8週から腎機能が低下し、20週齢までに末期腎不全を呈することが以前の研究から判明している。本研究では経時的に体重、血圧を測定しながら、16週に便検体を採取し検討した。検体採取日の24時間に排泄された糞便を回収し凍結し、腸内細菌叢は糞便よりDNAを精製し、T-RFLP (末端標識制限酵素断片多型分析) 解析で測定した。検出された各腸内常在菌は便宜的分類単位の相対量で表し、クラスター解析を行い、ICGNマウスではICRマウスと比較して、Clostridium属の有意な増加とBacteroides属の有意な減少を認めた。糞便中に含まれる尿毒素物質のうち、フェノール類 (パラクレゾール、フェノール)、インドールおよび、糞便中腐敗産物のスカトール、ニトロソアミンを高速液体クロマトグラフにて定量分析した。血中尿毒素物質は、インドキシル硫酸、フェノール、パラクレゾールを高速液体クロマトグラフにて定量分析した。糞便中のフェノール、パラクレゾールはICGNマウスで有意に増加していた。血中フェノール、パラクレゾールもICGNでは増加していた。糞便中インドールの増加はなかったが、血中インドキシル硫酸の増加はICGNで認めた。大腸の透過性試験では、ICGNマウスで有意な透過性更新を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性腎不全モデルのうち、ICGNマウスの解析は予定通り行えている。5/6腎摘モデルを作成している。腸管バリア機能解析も予定通り行えている。しかし、5/6腎摘モデルでは腎不全の程度が一定せず、解析の遅れが出ている。モデルをアデニン誘発腎不全モデルに切り替え、今後の解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 5/6腎摘モデル、アデニン腎不全モデルでの解析を行う。 (2) 腸管ディフェンシン発現をマイクロアレイ解析で行う。 腸内細菌叢変化、尿毒素変化が腸管上皮ディフェンシン発現に影響を及ぼすのかを明らかとする。腎不全モデル作成後、腸管でのディフェンシンの経時的発現変化を、マイクロアレイ解析で網羅的解析を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた海外学会に参加できなかったため。残額(16,681円)はマウス購入費に充てる。
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