2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K09728
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
瀬川 博子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 講師 (70325257)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸 / 唾液腺 / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの生理機能を担うリンの生体濃度は厳密にコントロールされており、この恒常性の破綻は骨代謝異常、成長遅延のみならず生命の危険をも招く。生体内リン代謝調節に大きな関わりをもつ臓器は入り口となる腸管、最終調節をする腎臓、貯蔵する骨である。またリン利尿因子PTHを分泌する副甲状腺やFGF23を分泌する骨は生体内リン濃度を感知する臓器とも考えられる。このことは既にリン代謝には腸管-副甲状腺-骨-腎臓という多臓器が関連することが示されている。しかしながら、これらの全てのシステマティックなつながりについては未だ未解決な部分がある。本研究では、既存のリン代謝調節因子を介さない臓器間ネットワークを解明するために、①腸管をリン感受の発信源としてa, 腸管-唾液腺、b, 腸管-腎臓、c, 腸管-脳の神経ネットワークを介する相互作用があるという仮説をたて検討した。平成29年は、腸管ー唾液腺をに関する検討について野生型および腸管特異的リントランスポーターノックアウトマウスを用いて行った。 野生型マウスおよび、腸管特異的リントランスポーターノックアウトマウスに慢性的に食事リン含量の異なる餌を与え、急性リン負荷実験を行い、血液、尿、および唾液リン応答の検討を行った。ノックアウトマウス慢性低リン食群では、野生型に見られるリン排泄、リン利尿因子分泌に関する応答が消失していた。そこで、次に迷走神経切除術構築を目的としまずラットを用い, 経腹的に切除を行った。切除術構築後、急性リン負荷応答実験を行ったところ、sham群と比較して切除群では、リン排泄、リン利尿因子分泌に関する応答が鈍い傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット切除術構築がおおむね順調に進展しているが、切除が成功しているか、確認する必要がある。以後は術式の技術向上も必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、迷走神経切除モデルにおけるリン代謝の基本的解析を行い、再現性を確認しつつ、そのメカニズムを追求する。マウスモデルでの構築が困難な場合はラットを主流に検討する。ヒトの腸管リン吸収機構はマウスよりもラットに近いため、ラットを用いることは意義がある。
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Causes of Carryover |
残りの105,146円は3月中に納品等、執行はできているが支払いが4月になる為、昨年度の収支簿には計上されていないため
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Effect of Npt2b deletion on intestinal and renal inorganic phosphate (Pi) handling2017
Author(s)
Ikea Kayo, Segawa Hiroko, Sasaki Shohei, Hanazaki Ai, Fujii Toru, Kushi Aoi, Kawabata Yuka, Kirino Ruri, Sasaki Sumire, Noguchi Miwa, Kaneko Ichiro, Tatsumi Sawako, Ueda Otoya, Ichida Yasuhiro, Maeda Akira, Jishage Ken-ichi, Horiba Naoshi, Miyamoto Ken-ichi
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Journal Title
Clinical and Experimental Nephrology
Volume: 11
Pages: 1497~1503
DOI
Peer Reviewed
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