2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎不全の栄養障害・慢性炎症における細胞老化とDNA修復機構の役割の解明
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17K09732
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木津 あかね 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 登録医 (30623201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 佳世 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30311921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / PEW / 維持透析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の臨床研究として、通院維持透析患者における、PEWと加齢による老化との特徴を比較し検討するための臨床データベースを作成した。2017年8月1日~2018年7月31日までの参加者356人を登録している。臨床検査として定期の血液検査と、運動機能検査として、握力、膝伸展筋、10m歩行速度、SPPB(Short Physical Performance Battery)下肢機能評価、およびDEXA法を用いて筋肉量を計測した。また、1週間貸し出しての活動計にて活動量を計測した。また、栄養評価として、BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)を用いた栄養調査をおこなった。筋肉量は一般高齢者と比べて明らかに低く、内臓脂肪や増加している傾向にあった。男性において筋肉量の低下の割合は多い傾向があった。さらに、DNA損傷を計測するため、末梢血単核球を用いて、DNA損傷を計測を開始した。今年度の基礎研究では、高リン血症因子の中でも老化と関連すると注目されているリン酸カルシウムコロイド(CPP)がPEWに関連することを検討するために、CPPが形成されないfetuin-A欠損マウスを用いて、リン負荷、5/6腎摘を行い腎不全モデルを作成した。末梢血単核球のDNA損傷の程度や脂肪組織、骨格筋など栄養障害を受けやすい組織のDNA損傷の計測を行い腎不全モデルと対照との比較を行いDNA損傷と腎不全程度と関連していることが明らかになった。また糖代謝の影響なども検討行い、腎不全が糖代謝に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fetuinノックアウトマウスの腎不全モデルや導尿病モデルマウスとFetuinノックアウトマウスとの交配も進めており、腎不全の栄養障害のモデルマウスが作成を開始している。臨床データは内科とリハビリ科や栄養科とのデータベースの統一を進めることができ、今後経時的に評価するためのデータベースを作成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究では、血液検査データと運動機能評価と栄養評価を統一したデータベースを用いて、DNA損傷や筋肉量との関連をより詳細に検討し、また生命予後や転倒リスクとの関連を検討していく。基礎研究では、腎不全での栄養障害モデルとして、Fetuinノックアウトマウスや糖尿病モデルマウスとのかけ合わせを行い、DNA損傷とサルコペニアの関連だけでなく、糖代謝や尿毒症との関連も検討していく。
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Causes of Carryover |
基礎研究に使用する物品を次年度で使用する予定のため
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