2017 Fiscal Year Research-status Report
Research for expression mechanism of klotho in CKD model mice
Project/Area Number |
17K09733
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
黒須 洋 自治医科大学, 医学部, 准教授 (40468690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Klotho / 無機リン酸 / pH / ステロイドホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において解析標的となるKlothoタンパク質は、腎臓皮質部の近位・遠位尿細管に発現が認められる。このタンパク質の発現制御機構解明に向け、個体レベルにおいてKlothoタンパク質の発現誘導を調整する因子の候補を見出すために、Klothoタンパク質の発現制御に影響することが知られている無機リン酸を食餌に添加して与え、腎臓における遺伝子発現変動を解析した。その結果、無機リン酸を4週間与えたマウスでは、従来の報告どおり腎臓でのKlothoタンパク質の発現が、mRNAレベルで50%、タンパク質レベルではおよそ80%の減少が生じることが認められた。またこのとき、性ホルモンと副腎皮質ホルモンに制御されるいくつかの遺伝子発現が強く影響を受けていることも明らかとなった。 加えて、ヒト近位尿細管由来の培養細胞・HK-2細胞におけるKlothoタンパク質発現への無機リン酸とpHの影響を評価した。 無機リン酸は濃度依存的にHK-2細胞でのKlothoタンパク質の発現を上昇させた。また、このときKlotho mRNAの発現変動は2倍程度の上昇が認められた。 一方、pHに関しては、Klothoタンパク質の発現は、pH 7.5あたりより発現が上昇し、pH 8.5を最大にしたベルシェイプ型の発現量変動を示した。また、このときKlotho mRNAの発現変動は認められなかったことから、Klothoタンパク質の発現制御機構には、タンパク質分解系も関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Klotho発現制御機構に関して、高リン負荷を与えたマウスの腎臓では、Klothoタンパク質の遺伝子発現変動に連関したKlothoタンパク質の発現減少が認められる。本年度の研究においては、無機リン酸が、培養細胞レベルにおいてもKlothoタンパク質のmRNA発現変動を介してその発現量を調節していることが確認できた。また、pHの効果を解析する過程において、Klothoタンパク質の発現変動にはタンパク質分解制御系が関与している可能性が示されたことで、来年度以降の研究において考慮するべき新しい解析基準ポイントを得ることができたため。また、ステロイドホルモンとKlothoの発現に関連がある可能性が示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究より得られた、培養細胞レベルでのKlotho発現制御機構への無機リン酸とpHの作用をヒトKlothoプロモーターに対する作用として検出し、長さのことなるプロモーター配列を用いて発現制御へ影響を与える配列部位を同定したい。 また、個体レベルの解析より得られているいくつかのステロイドホルモンがKlothoタンパク質の発現制御に関連する可能性についても、培養細胞とプロモーターアッセイを併用し解析を進めたい。
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Research Products
(1 results)