2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular basis of mechano-sensing and responding system and its alteration in hypertension
Project/Area Number |
17K09736
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
長瀬 美樹 杏林大学, 医学部, 教授 (60302733)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 慢性腎臓病 / 急性腎障害 / メカノセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今、メカノバイオロジー研究の進歩により、圧センサーの本体が明らかになりつつあり、げっ歯類やヒトにおけるTRPファミリーやPiezo1, 2の役割が次々に解明されてきている。しかしながら、高血圧・腎障害モデルにおける解析はほとんど行われていない。本研究では、① げっ歯類、ヒトにおける血圧・血流感知応答システムの存在部位と構造を決定、② 血圧・血流センサー分子と応答カスケードを解明、③ 高血圧動物においてメカノバイオロジーの変容を解析し治療標的を同定、という目標を設定し、研究を実施した。 1) 最終年度は、高血圧性腎障害モデルとして片腎摘+アルドステロン+食塩負荷モデル、食塩負荷Dahl食塩感受性高血圧ラットを作製し、高血圧群と対照群の腎臓における発現レベルの変容、発現部位を解析した。腎障害モデルでPiezo1, Piezo2とも発現レベルは著明に増加した。In situ hybridizationと免疫組織染色を組み合わせ、障害群において発現が増加した細胞を特定した。高血圧性腎障害群におけるPiezo2発現は、正常群での発現部位に加え、新たな細胞での著明な発現誘導が認められた。以上より、高血圧性腎障害発症進展過程において、Piezoを介する新たな機序が推察された。 2) TRPV2は正常腎においては非常に発現が低かったが、腎障害モデルを作製したところ、著しく発現が亢進した。In situ hybridizationと免疫染色を組み合わせ、発現が誘導された細胞を特定した。2種類の培養細胞株における発現を調べたが、いずれも発現レベルは非常に低く、in vivoでの障害刺激による発現誘導を再現できなかった。現在、in vivoモデルでの機能解析を進めている。
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