2017 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of Pathological Model of Skeletal resistance to PTH in Uremia using iPS Cells
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17K09737
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
緒方 浩顕 昭和大学, 医学部, 准教授 (30296959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 講師 (90465203)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 尿毒症 / ミネラル代謝 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿毒症病態下における骨細胞の副甲状腺ホルモン(PTH)抵抗性の病態機序の解明、治療法開発に有用な研究モデルの創出を目的にしている。本研究の最終目的は、CKD患者から得られたiPS細胞を用いて骨芽細胞を誘導し、その骨芽細胞のphenotypeが各CKD患者のPTH抵抗性等の病態を反映するものか検証することである。初年度である2017年度は、① 血液透析患者のPTH抵抗性の検討、②各種病態マウスの末梢単核球、線維芽細胞よりiPS誘導、③血液透析患者由来の線維芽細胞からのiPS細胞の誘導、を目標として研究を進めた。 ①に関しては、本施設及び関連施設の保存期CKD、血液透析患者の血中PTH、各種骨代謝マーカー及び骨密度のデータを解析した。その結果、CKD患者では、腎機能だけでなく、貧血や骨・ミネラル代謝異常に対する様々な治療が大きな影響を与えることが判明した。最近、CKDの病態で重要な役割を演じていることが明らかにされているfibroblast growth factor-23 (FGF-23)の代謝に対するCKD治療の影響を明らかにすることが出来た。その成果の一部は2018年度の第61回日本腎臓学会、第63回日本透析学会及び米国腎臓学会で発表予定であり、論文化を進めている。 ②については、マウスiPS細胞からの骨芽細胞誘導を目標に研究を進めたが、安定したiPS細胞の誘導が出来ず、現在、豊富なiPS研究実績を有する施設と共同研究を行うべく、作業を進めている。様々な検討を行う過程で、骨代謝に関するいくつかの知見が得られた。その成果の一部は、既に論文化している。iPS細胞からの骨芽細胞の誘導だけでなく、各種病態マウスの骨髄中、循環血液中の間葉系前駆細胞からの骨芽細胞を誘導し、そのphenotype機能評価も行い、その成果の一部を米国腎臓学会で発表予定である。 ③に関しては未着手である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は① 血液透析患者のPTH抵抗性の検討、②各種病態マウスの末梢単核球、線維芽細胞よりiPS誘導、③血液透析患者由来の線維芽細胞からのiPS細胞の誘導、を目標として研究を進めた。 ①については、順調に進行し、2018年度にはその成果の一部を第61回日本腎臓学会、第63日本透析医学会及び米国腎臓学会に発表予定である。 ②については、マウスiPS細胞の確立を行なったが、安定した誘導が出来ず、研究進行が滞っている。いくつかの誘導法を試したが、安定した品質を維持できていない。このために、各種病態マウスの骨髄中、循環血中の間葉系前駆細胞を分離し、骨芽細胞を誘導し、そのphenotype、機能の解析を行い、臨床的な骨・ミネラル代謝異常を反映するかを検証を行った。今後、遺伝子発現、epigeneticな変化の検討を行う。 ③については、②の検討が滞っているために、未着手であるのが現況である。臨床研究を行うにあたり、本施設の倫理委員会の認可を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の問題点は、安定したiPS細胞の誘導が出来ていないことである。このために、マウス、ヒトのiPS細胞研究に豊富な経験がある本学歯学部の研究室と共同研究を行うべく、必要な作業を進めている。2018年度前半には共同で研究に着手出来ると考えている。また、iPS細胞以外の研究モデルの確立の可能性も検討している。骨髄中、循環血液中の間葉系前駆細胞から骨芽細胞を誘導し、そのphenotypeや機能が骨組織内の骨芽細胞の病態を反映しているかどうかを検証し、侵襲性の高い骨生検を行わずに骨芽細胞の機能や病態の検討が可能なモデルとなり得るかを検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
予定より研究が遅延しているために、論文作成が遅れており、論文投稿等の費用が余った。次年度には確実に研究を進め、論文投稿の諸費用に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Cooperation of Rho family proteins Rac1 and Cdc42 in cartilage development and calcified tissue formation2018
Author(s)
Ikehata M, Yamada A, Fujita K, Yoshida Y, Kato T, Sakashita A, Ogata H, Iijima T, Kuroda M, Chikazu D, Kamijo R.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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