2020 Fiscal Year Research-status Report
腎血管性高血圧への血行再建術の適応基準の確立と病態改善機序の解明
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17K09743
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
岩嶋 義雄 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80448068)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腎血管性高血圧 / 高血圧性臓器障害 / 線維筋性異形成 / 腎動脈狭窄症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎血管性高血圧(RVHT)は腎動脈の狭窄や閉塞によるもので、二次性高血圧の代表的疾患の一つであり、心血管病の発症リスクが高いことが知られている。その原因は動脈硬化性(ARAS)と線維筋性異形成(FMD)に大別されるが、効果的な治療法など不明な部分が多い。本年度は以下の研究成果を得た。 ① 心血管病リスクである心臓肥大について、RVHTの原因別での合併頻度や、治療法の一つである経皮的腎動脈径施術(PTRA)による心臓肥大退縮効果や予後との関連を検討して論文報告した。RVHTでの心臓肥大の合併頻度はARASとFMDともに高かった。PTRAは1年後にARASとFMDともに心臓肥大を退縮させたが、退縮率はFMDのほうが大きかった。PTRA1年後の心重量係数や退縮率は、FMDでは心血管病リスクと関連する傾向を認めたが、ARASでは関連しなかった。 ② 欧州高血圧学会でのFMDに関する作業部会(欧州FMD症例登録研究)の共同研究に参加して、FMDの病態や臨床像について論文報告した。欧州・アジアの22ヶ国で診断・治療された1022名のFMD患者を対象に検討したところ、FMDでの高血圧の合併頻度は86%と高く、腎動脈の複数個所や、腎動脈以外の血管に狭窄を認めた頻度は、それぞれ72%と57%と高かった。また、男性のFMDは若年で診断されることが多く、一つの血管のみに狭窄を認めた頻度や大動脈解離の罹患頻度が高い、などFMDの臨床像が性別で異なることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RVHTでの心臓肥大の合併頻度や予後との関わりや、FMDの臨床像に関する研究成果を論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の研究計画のうち、「血行再建術による病態の推移」について検討を進めている。令和3年度は、研究計画に沿って、以下を推進する。 1)腎血管性高血圧患者を対象に、血行再建術の前後での診察室血圧だけでなく診察室外血圧を併用することで、詳細な血圧評価を行い、生体由来試料を収集して治療反応性を多角的に評価する。 2)治療反応性の有無で比較・検討することで、血行再建の治療効果に関連する因子を見出す。
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Causes of Carryover |
本年度は、当初の計画より少額の研究費で効率よく、研究遂行することができた。また、以前に確保できた物品・消耗品を本研究に応用することで使用額を抑制することが出来た。今後に計画する実験の一部を遂行するために、本年度の助成額を次年度に使用するように考慮した。
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Research Products
(7 results)