2017 Fiscal Year Research-status Report
神経特異的polysome解析によるALS/FTLD病態解明と分子標的療法の開発
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17K09753
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井口 洋平 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80790659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
佐橋 健太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90710103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ALS / FTLD / TDP-43 |
Outline of Annual Research Achievements |
ALSやFTLD-TDPなどの原因不明な神経変性疾患の病態を解明するにはニューロン特異的な解析が必須であるが、モデル動物において変性過程にあるニューロンの単離は非常に困難であった。この問題を解決するために、我々はニューロン特異的human synapsin 1プロモーター下にRibotag(GFP-RPL10a)とCreを共発現するSyn-Ribotag-Creマウスを作成し、このマウスとALS/FTLD病態の中でloss-of-functionが想定されているTDP-43やTBK1のfloxマウスと交配することで、ニューロン特異的なtranscriptome解析を可能にし、ALS/FTLDの変性機構を明らかにすることを目的に研究を進めている。平成29年度は2つのSyn-Ribotag-Creマウスのラインを確立し、それぞれのラインにおけるGFP-RPL10aと Cre蛋白の発現パターンの解析を行った。GFP-RPL10aに関しては抗GFP抗体を用いた免疫染色を、Creに対してはCreレポーター(ROSA26-LacZ)マウスと交配し発現パターンを解析した。脳脊髄内の広範なニューロンにGFP、Creの発現が確認でき、蛍光2重染色にてこれらの発現はグリア細胞内にはなくニューロン特異的であることが判明した。また、Syn-Ribotag-Creマウスの脳脊髄のホモジェネートから抗GFP抗体ビーズを用いてpolysome(mRNA-ribosome複合体)を免疫沈降しtotal RNAを抽出し、RT-qPCRによりRNAがニューロン特異的であることも確認できた。現在Syn-Ribotag-CreマウスとTDP-43 floxマウスを交配させてニューロン特異的TDP-43ノックアウトマウスの作成を行っている。今年度早々にTBK1 floxマウスとの交配も開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りSyn-Ribotag-Creマウスのラインを確立し、目的蛋白がニューロン特異的に発現していることが確認できている。またTDP-43 floxマウスとの交配も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
TDP-43とTBK1それぞれのニューロン特異的ノックアウトマウスSyn-Ribotag-Cre+/-;TDP/ TBK1flox/flox(Ribotag-TDP/TBK1 CKO)の表現型を解析し、さらにその結果を元に発症前、発症早期・後期の脳と脊髄からpolysomeを精製し、transcriptome解析により病態に応じて変化する分子(経路)をコントロールマウス(Syn-Ribotag-Cre+/-)polysomeのデータと比較することにより明らかにする。また、Ribotag-TBK1 CKOマウスの各病期の脳脊髄の病理学的変化を観察し、孤発性ALS/FTLD類似の病理像を再現できるかどうかを確認する。TDP-43やTBK1ノックアウトニューロンの解析から変性に伴って変化する分子を標的とした治療法の開発を目指し、各ノックアウトマウスにおいて治療効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度3月に使用した動物実験施設使用料の請求が4月以降となるため。 (使用計画) 既に、マウス実験で使用済みである。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Altered Tau Isoform Ratio Caused by Loss of FUS and SFPQ Function Leads to FTLD-like Phenotypes2017
Author(s)
Ishigaki Shinsuke, Fujioka Yusuke, Okada Yohei, Riku Yuichi, Udagawa Tsuyoshi, Honda Daiyu, Yokoi Satoshi, Endo Kuniyuki, Ikenaka Kensuke, Iguchi Yohei, Sahara Naruhiko, Takashima Akihiko, Okano Hideyuki, Yoshida Mari, Warita Hitoshi, Aoki Masashi, Watanabe Hirohisa, Okado Haruo, Katsuno Masahisa, Sobue Gen
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Journal Title
Cell Report
Volume: 18
Pages: 1118~1131
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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