2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the role of glial cell in tau transmission and axonal degeneration in Alzheimer's disease and targeted therapy with glial cell
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17K09757
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅井 宏英 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50510210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩雄 九州大学, 大学病院, 特任講師 (00701830)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アミロイドβタンパク / リン酸化タウタンパク / エキソソーム / マイクロRNA / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
AD(Alzheimer's disease)のモデルマウスであるAPP-KIマウスのcharacterizationを行った。6ヶ月齢のAPP-KIマウスにおいては、Iba1による免疫染色の結果からコントロールマウス(野生型)と比較してミクログリアが活性化していることを確かめた。また、APP-KIマウスにおいてはresidentミクログリアのマーカーであるP2RY12も強発現しており、主にresidentミクログリアが活性化していることが明らかとなった。さらに、これらミクログリアの活性化は、アミロイドβ(Aβ)毒性ターン構造を認識する11A1抗体による免疫染色で陽性のアミロイドプラーク周囲に認められ、オリゴマーを貪食していることが考えられた。 さらに、血液脳関門(BBB)を自由に通過することのできるエキソソームを、6ヶ月齢のADモデルマウスの末梢血液100μlからを抽出したところ、ドットブロットアッセイによって毒性ターンAβ42が含有されていた。次に、このエキソソームからマイクロRNA(miRNA)を抽出し、次世代シークエンスにより野生型とADモデルマウスを比較したところ、ADモデルマウスでは発症前からアップレギュレーションされている一つのmiRNAと、5つのダウンレギュレーションされているmiRNAを見出した。アップレギュレーションされているmiRNAはAD患者やモデルマウスの脳で増加し神経細胞死を誘導しており、最もダウンレギュレーションされていたmiRNAはアミロイドに反応して減少することが報告されている。 これらのエキソソームは、ADの原因となると考えられているタンパクを含有しており、miRNAの変化はAD診断の有力な血液バイオマーカーとなる可能性が高いと考えられる。また、エキソソームはBBBを双方向に通過できることから、将来の治療ターゲットとなる可能性がある。
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