2019 Fiscal Year Research-status Report
Mitochondrial dysfunction by loss of CHCHD2.
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17K09769
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
天羽 拓 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 講師 (40453922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹清 貴浩 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 准教授 (00545981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は主に50~60代で発症し、静止時振戦、無動、筋固縮、姿勢反射障害などを呈する進行性の神経変性疾患であり、現在の治療は薬剤による対症療法および外科手術であり、完治を実現する根治療法は開発されていない。発症機序は十分に解明されておらず、第1の要因である加齢に加え遺伝的素因や環境有害物質などが関与する多因子疾患と考えられているが、ミトコンドリア機能障害を示唆する知見が多く蓄積されている。その一つとして申請者らが世界にさきがけて発見した遺伝性パーキンソン病 (PARK22) の新規原因遺伝子産物coiled-coil-helix coiled-coil-helix domain containing 2 (CHCHD2)がミトコンドリア膜間腔に局在することを示した。さらにCHCHD2の関連分子として同じミトコンドリア膜間腔に局在する分子を同定した。この関連分子をノックダウンすると、ドパミン神経前駆細胞であるヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y特異的に、ミトコンドリア呼吸鎖複合体IVの顕著な活性低下を招来するという発症機序解明の端緒となる知見を得た。そこでCRISPR/Cas9システムを用いてヒト神経芽細胞腫培養細胞株のSH-SY5Y細胞でノックアウト細胞の作製を試み、複数クローン得ることに成功した。いずれのクローンも呼吸鎖複合体IVの顕著な活性低下という表現型を示したことから、これらを用いて、ミトコンドリア機能障害、特に呼吸鎖複合体IVに着目した分子機序を検討し、パーキンソン病においてドパミン神経細胞特異的に変性が起こる原因に迫る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
明確な表現型を示すノックアウト細胞を複数クローン得ることに成功したので。
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Strategy for Future Research Activity |
今回作製したノックアウト細胞のミトコンドリア機能障害、特に呼吸鎖複合体IVに着目した分子機序を検討する。
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Causes of Carryover |
新型肺炎ウィルス感染症の流行による出張のキャンセルおよび昨年度からの残金があったため。次年度発表予定の研究論文をオープンアクセスにするための費用などに当てる。
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Research Products
(11 results)