2017 Fiscal Year Research-status Report
プロテオーム解析による慢性炎症性脱髄性多発神経炎の新規エピトープの同定と病態解明
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17K09774
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
別府 美奈子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70623669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 知明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50447299)
森 雅裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70345023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)は自己免疫機序により末梢神経に脱髄を生じる疾患であり、慢性に進行する対称性の四肢の筋力低下と感覚障害を主徴とする。CIDPの病態には液性免疫が関与することが推定されており、これまで自己免疫の標的分子に着目した研究が行われてきたが、自己抗体は見つかっていない。CIDPは臨床病型によりtypical CIDP とmultifocal acquired demyelinating sensory and motor neuropathy(MADSAM) を含むatypical CIDPに分類され、病型毎に病態が異なると考えられている。そこで、われわれはprotein active array systemを用いて約1433種類の蛋白質からCIDPの患者血清IgG中の自己抗体の網羅的探索を行った。ヒト完全長cDNAライブラリー由来の蛋白タンパク質19713種類から、データベース上、神経組織に発現しており、細胞膜に局在がある蛋白質1433種類を選択し、カスタムアレイを作成した。対象はtypical CIDP群(n=10)MADSAM群(n=4)、正常対照群(N=4)とした。血清をprotein active arrayに反応させ、化学発光にて検出を行った。その後、画像解析ソフトを用いて検出したスポットの濃度を数値化し、typical CIDPに特異的な抗体があるかを探索した。その結果、正常対照に較べてtypical CIDPの複数症例で高値を示す蛋白質が3種類みつかった。これについてELISAを行ったところ、そのうちの一つの蛋白質に対する自己抗体が、CIDPと疾患対照群を比べて、CIDPで優位に高値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではプロテオーム解析手法を用いて慢性炎症性脱髄性神経炎(Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)の新規標的分子を探索することを目的としている。今年度はプロテインアレイを用いてCIDP患者血清を解析し、抗体プロファイルにより患者を分類し、予定通り血清パネルの構築を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に構築したCIDP患者血清パネルをもちいて、平成30年度は患者血清中IgGの精製を行い、さらに免疫沈降法をもちいて、これの標的分子を探索する。これにより、さらに有力な抗原候補蛋白質を同定し、その分子に対する自己抗体を検出するELISAの構築を行う。さらには精製した抗体を動物に投与し、疾患モデルの構築を試みる。
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Causes of Carryover |
今年度はプロテインアレイによる解析を行ったが、そこで見つかった解析候補の蛋白質の種類が予想より少なかったため、抗体を買う分の金額を翌年度分に繰り越した。翌年度は、さらに新たな解析をすすめ抗体等の試薬購入に用いる予定である。
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Research Products
(1 results)