2017 Fiscal Year Research-status Report
Systematic brain search of Parkinson's Disease with functional neuroimaging
Project/Area Number |
17K09793
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平野 成樹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375756)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | パーキンソン病 / ドパミン / 線条体 / 脳血流 / 前頭葉 / 非運動症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は黒質線条体ドパミン神経(ドパミン節前神経)の脱落と同部位でのレビー小体の神経細胞内蓄積が起こる神経変性疾患である。ドパミン節前神経の脱落は運動症状に関連していると考えられている。ドパミントランスポーターはドパミン節前神経終末に存在するため、ドパミン節前神経のバイオマーカーであり、パーキンソン病の診断画像検査として臨床的に確立している。我々は線条体ドパミントランスポーター結合率が脳にどのような血流の変化をもたらすかを明らかにすることで、ドパミン節前神経の機能を明らかにすることを目的として調査を行った。 50名のパーキンソン病について、脳血流画像とドパミントランスポーター画像の両者を1年以内に撮像した。パーキンソン病においては、線条体ドパミントランスポーター結合率は同即の前頭葉脳血流と正の相関を認めた。これはパーキンソン病がドパミン節前神経である黒質線条体ドパミン神経の選択的脱落を原因とし、基底核ー大脳皮質回路を経由して、前頭葉に神経活動が統合的に関連していることの裏付けとなった。線条体ドパミントランスポーター結合率と前頭葉脳血流の多寡が非運動症状と関連しているという仮説を立て、抑うつ、幻覚、疼痛、睡眠障害、嗅覚障害、便秘、起立性低血圧などの非運動症状の有無を調査している。 これらの結果は日本パーキンソン病・運動障害疾患学会および国際パーキンソン病および関連疾患学会において発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン病がドパミン節前神経の選択的障害があることから、ドパミン節前神経が脳全体にどのような影響を与えているのかが明らかとなった。つまり、黒質線条体ドパミン神経の活動は同即の前頭葉の活動と強く関連していることが判明した。今後この連関がどのような臨床症状と関連し、その病態を明らかにする。また、治療によって変化しうる脳領域を知ることで、どのような薬剤がどのような症状に有効かが間接的に説明できるようになる事が期待される。
|
Strategy for Future Research Activity |
線条体ドパミントランスポーター結合率と前頭葉血流はドパミン節前神経のみが選択的に障害されるパーキンソン病において成立すると考えられる。一方ドパミン節前と節後神経の両者が傷害されうるパーキンソン症候群ではこの相関関係が成り立たないと仮説が立てられる。そこでパーキンソン病のみならずパーキンソン症候群においても同様にドパミントランスポーター画像と脳血流画像を撮像し、線条体ドパミントランスポーター結合率と前頭葉血流を計算取得し、疾患における総意を検討すると同時にその臨床的意義を探索する。
|
Causes of Carryover |
米国での研究打ち合わせを行う予定であったが、実現しなかったため。 ソフトウェアのアップグレードをまだ行っていないが現時点では解析は可能である。 本年度は研究継続のために米国での研究打ち合わせを行う予定。また、動作解析のために新たなソフトを購入する予定である。
|
Research Products
(5 results)