2017 Fiscal Year Research-status Report
アミロイドPET陰性認知症のタウ蛋白分布と神経細胞障害評価による認知症診断の検討
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17K09806
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
竹内 潤 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (20771819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 真人 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, チームリーダー(定常) (10373359)
島田 斉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主幹研究員(定常) (10422239)
渡辺 恭良 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, センター長 (40144399)
須原 哲也 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 部長(定常) (90216490)
武田 景敏 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90445015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タウイメージング / PBB3-PET / PiB-PET / PiB陰性認知症 / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病の主要な病理変化の一つである神経原線維変化の主体である変性タウ蛋白をPETにて画像化するタウイメージング([11C]PBB3-PET)をアミロイド陰性認知症と対照としてアルツハイマー型認知症(AD)に対して撮像を行った。その内訳はAD患者3件、神経原線維優位型認知症 (NFTD)患者1件、嗜銀顆粒性認知症 (AGD) 患者1例にPETスキャンを実施し、[11C]PBB3の有用性を検討した。今年度はこれら疾患のPBB3集積の特徴を検討するため、小脳を参照領域としたSUVR画像を作成し、大脳皮質に設定したROIのSUVR値の比較およびSPMを用いて健常高齢者12例を対照としたJack knife検定を実施。これにより、健常高齢者とのタウ集積の違いを明らかにすることが可能となった。 NFTDは4例に関して健常高齢者12例とのJack knife検定を実施し、AD症例と健常高齢者とのJack knife検定したものとの比較をすることで、[11C]PBB3の集積を検証した。NFTDはADに比べて集積分布は限局的であったものの、健常者群に比べて側頭葉外側、後部帯状回で集積が顕著で有り、同部位のタウ蓄積がADL低下につながる認知機能障害の出現に寄与する可能性が示唆された。また当院で生前同意を得られたAGD疑い患者1名に関して剖検を実施し、画像病理相関を実施した。AGDを疑われた患者については、[11C]PBB3では左側頭葉を中心として高度に集積が認められたものの、剖検において嗜銀顆粒は認められず、神経原線維変化の集積も加齢性レベルであり(Braak stage Ⅱ)、臨床診断との相違、タウ集積の評価について今後検討する必要が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PiB陰性認知症の撮像も順調に進み、対照としてアルツハイマー型認知症の撮像も順調に進んでいる。更に、これまで蓄積したデータに対して新たな解析法(SPM)を導入することにより、PiB陰性認知症とアルツハイマー型認知症のタウ集積の分布の違いを検討することが可能となっている。また本年度はPiB陰性認知症の剖検例をとり、結果を解析することができており、おおむね本研究は順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もアミロイド陰性認知症を中心に撮像を行っていき、症例の蓄積を行っていく予定である。また対照としてのアルツハイマー型認知症症例も撮像し、アミロイド陰性認知症とJack knife検定のみならず、群間比較を行っていく予定である。またできる限り剖検をとれるように、生前同意を積極的にとり、背景病理とPBB3-PET画像の適合性について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は解析結果を出すことに専念していること、国際学会での発表は行っているが、国内での開催であった為、旅費が予想以上にかからなかったことが理由として挙げられる。 次年度は国際学会への発表や論文投稿も予定しており、それに伴う諸経費を使用する予定である。また研究の実行や画像解析に必要な物品などの購入にも引き続き使用する予定である。
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Research Products
(5 results)