2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of treatment strategy for epilepsy in the elderly
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17K09808
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
赤松 直樹 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (10299612)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | てんかん / 側頭葉てんかん / 高齢者 / 抗てんかん薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者てんかんの実態を調査した。福岡県久屋町の全住民の健診によるてんかん有病率調査では、65歳以上の一般住民では有病率が1%であること、てんかんの病因としては脳卒中後が最も多いことを明らかにした。 病院受診者の高齢者てんかんの調査では、高齢初発てんかんでは側頭葉てんかんが最も多いことを見出した。てんかん発作型では、焦点意識減損焦点発作と焦点起始両側強直間代発作が約90%を占めていた。 レセプト調査では、全国民の約14%にあたるビッグデータの解析を行った。てんかんとして治療されている患者の44%が65歳以上であった。高齢者てんかんでは、高血圧症、糖尿病、脳血管障害、認知症の合併率が高かった。診断には約40%で脳波検査が施行されていた。抗てんかん薬は、バルプロ酸、レベチラセタムの処方が多かった。 これらの結果から高齢者のてんかんは有病率が約1%であり、本邦の患者数は約40万人と推定され、稀な疾患ではないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集は予定どおり終了した。データ解析をすすめており、プレリミナリーな報告として学会報告した。さらに、疫学データは英文論文として発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を論文発表する準備中である。 高齢者のてんかんの病因としては、脳卒中、変性疾患、脳炎、外傷、など多岐にわたることが判明したが、原因が同定できない非病変性のてんかんが今までのデータでは約40%を占めることも判明した。これらの非病変例においてリスク因子を分析し明らかにするために、背景因子の検索を行うこととしている。
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Causes of Carryover |
データ収集が短時間で終了できたため人件費・謝金が予定以下のため次年度使用額が生じた。 研究発表に必要な、設備、論文作成に必要な経費として次年度に使用する。
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