2017 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームにおけるオルガネラ機能不全と腎尿細管間質障害機構の解明
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17K09861
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中司 敦子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00625949)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 近位尿細管細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や糖尿病を背景とした慢性腎臓病が増加し、対策が急がれている。糖尿病や肥満による糸球体障害は従来研究されているが、腎予後と強く相関する尿細管間質障害については充分に解明されているわけではない。我々は肥満や糖尿病による近位尿細管障害に着目した。そして我々が同定したアディポカインであるvaspinが、肥満や糖尿病における近位尿細管障害を抑制する可能性が示唆されたため、本研究において検討する。 肥満や糖尿病では小胞体ストレスが亢進しているが、培養近位尿細管(HK2)細胞を用いて、tunicamycin(tm), thapsigargin(tg)で小胞体ストレスを誘導すると、eIF2αリン酸化やGRP78, CHOP発現の増加やアポトーシスの増強が観察され、vaspin添加によりこれらが抑制された。また、オートファジーに関わるLC3、p62もtmやtgで増加したが、vaspinはp62蓄積を抑制しオートファジ不全を軽減する可能性が示唆された。tmやtgによるNLRP3, caspase1, IL1βなどインフラマソーム活性化もvaspinにより抑制された。 小胞体ストレス誘導により、ライソゾーム膜蛋白であるlamp1,lamp2, HSP70などの蛋白発現減少を認めた。既報ではライソゾーム膜障害や透過性亢進にによりカテプシンBが細胞質に放出されてNLRP3インフラマソームが活性化されることが報告されているが、HK2細胞にtm, tgを添加するとカテプシンBのライソゾームから細胞質への局在変化が観察され、vaspinによりこれが軽減された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標である、肥満や糖尿病における近位尿細管障害を細胞内小器官の観点から検討し、vaspinによる障害抑制を示すことができた。 また、tm, tgによる小胞体ストレス誘導だけでなく、飽和脂肪酸(パルミチン酸)によっても同様の結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
小胞体とミトコンドリアの連関すなわち、小胞体ストレスによるミトコンドリアへのCa2+流入増加とアポトーシスに着目して、分子機構を検討する。さらに近位尿細管においてvaspinと相互作用する分子を同定し、vaspinの作用分子機構を解明する。
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[Journal Article] Serum-inducible protein (IP)-10 is a disease progression-related marker for non-alcoholic fatty liver disease.2017
Author(s)
Wada N, Takaki A, Ikeda F, Yasunaka T, Onji M, Nouso K, Nakatsuka A, Wada J, Koike K, Miyahara K, Shiraha H, Yamamoto K, Okada H.
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Journal Title
Hepatol Int.
Volume: 11
Pages: 115-124
DOI
Peer Reviewed
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