2018 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームにおけるオルガネラ機能不全と腎尿細管間質障害機構の解明
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17K09861
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中司 敦子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00625949)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 近位尿細管細胞 / Vaspin |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、vaspinが近位尿細管細胞にtunicamycinやthapsigarginで刺激した際の、小胞体ストレス亢進やオートファジー不全を軽減することを示した。本年は、その分子機構としてvaspinと相互作用する分子の同定および作用機序の解明を行った。 培養細胞を用いた免疫沈降およびLC-MS/MS解析、western blotにより、vaspinはHSPA1L (Heat shock 70 kDa protein 1L)と結合することを明らかにした。さらに肝細胞や血管内皮細胞と同様に近位尿細管細胞においてもvaspinとGRP78と結合を認めた。さらにHSPA1L, GRP78はクラスリン重鎖と複合体を形成し、細胞表面での局在を確認し、これらの複合体はエンドサイトーシスに寄与すると考えられた。そしてGRP78抗体添加によりvaspinの細胞内への取り込みは抑制された。また小胞体ストレス誘導物質やパルミチン酸刺激により、形質膜のGRP78発現は亢進し、一方で高糖濃度培養では形質膜のGRP78発現は著減した。さらに、近位尿細管細胞において既知であるメガリンによるエンドサイトーシスを介したvaspinの取り込みを検討したところ、メガリンとvaspinの高親和性の結合を認めた。 Vaspinは近位尿細管細胞においてメガリンのみならず細胞表面のGRP78やHSPA1Lを介して細胞内に取り込まれ、小胞体やリソソームに輸送され、オルガネラへ作用する機序が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Vaspinと相互作用する分子を明らかにし、Vaspinが近位尿細管細胞に作用する経路として、メガリンを介した経路、またGRP78やHSPA1Lを受容体としてクラスリン依存性のエンドサイトーシスの経路が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
HSPA1Lについてはこれまで殆ど機能が解明されていないため、糖尿病や肥満における近位尿細管細胞で、前述のエンドサイトーシスへの関与以外にどのような機能を有するか明らかにする。またバスピンがHSPA1Lと結合して、細胞内で作用する分子機構を解明する。 また、Vaspinは肝細胞表面GRP78・DNAJC1複合体に結合することを示した。そこで近位尿細管細胞におけるDNAJC1の機能についても検討する。
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[Journal Article] GPIHBP1 autoantibody syndrome during interferon β1a treatment.2019
Author(s)
Eguchi J, Miyashita K, Fukamachi I, Nakajima K, Murakami M, Kawahara Y, Yamashita T, Ohta Y, Abe K, Nakatsuka A, Mino M, Takase S, Okazaki H, Hegele RA, Ploug M, Hu X, Wada J, Young SG, Beigneux AP.
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Journal Title
J Clin Lipidol
Volume: 13
Pages: 62-69
DOI
Open Access
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[Journal Article] Identification of Novel Urinary Biomarkers for Predicting Renal Prognosis in Patients With Type 2 Diabetes by Glycan Profiling in a Multicenter Prospective Cohort Study: U-CARE Study 1.2018
Author(s)
Mise K, Imamura M, Yamaguchi S, Teshigawara S, Tone A, Uchida HA, Eguchi J, Nakatsuka A, Ogawa D, Yoshida M, Yamada M, Shikata K, Wada J.
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Journal Title
Diabetes Care.
Volume: 41
Pages: 1765-1775
DOI
Peer Reviewed
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