2018 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化巣局所のマクロファージ増殖におけるSkp2の役割の解明と治療への応用
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17K09863
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
石井 規夫 熊本大学, 病院, 特任助教 (10599111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬ノ口 隆文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (00530320)
近藤 龍也 熊本大学, 病院, 講師 (70398204)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マクロファージ / 細胞周期 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
【増殖刺激およびAMPK活性制御によるSkp2発現およびSkp2活性の定量】 マウス腹腔マクロファージを用いて、細胞増殖の評価を、[3H]チミジン取り込み法、細胞数算定法を用いて行った。増殖誘導刺激(Ox-LDL、GM-CSF、M-CSF)により有意に細胞増殖が誘導された。細胞周期の評価を、Propidium iodideを用いたFlow cytometry法で行った。増殖誘導刺激(Ox-LDL、GM-CSF、M-CSF)により優位に細胞周期G2/M期の細胞が増加していた。AMPK活性化剤AICARおよびアデノウイルスベクターを用いて恒常活性型constitutively active mutant(T172D) -AMPKα(CA-AMPK)、優位抑制型dominant negative mutant(T172A)-AMPKα(DN-AMPK)を過剰発現することでAMPK活性制御を行い、増殖誘導刺激(Ox-LDL、GM-CSF)によるSkp2発現およびp27kipのタンパクレベル(western blot法)・mRNAレベル(RT-PCR法)で定量化し評価を行った。増殖刺激で増加したSkp2の発現はAMPK活性誘導により部分的に抑制された。p27kipは元々の発現が弱く増殖刺激での変化は観察されなかったがAMPK活性誘導によりその発現が増加した。 【動脈硬化モデルマウスを用いた動脈硬化病変局所におけるSkp2-p27kip経路および細胞周期の評価(in vivo)】 動脈硬化モデルマウス(Apo E KOマウス)にhigh fat dietを行い動脈硬化症モデルマウスとして血管病変局所でのp27kipおよびSkp2の発現評価をするために、大動脈弁輪部の連続切片を用いてMφの表面抗原マーカー(CD11b)と細胞周期進行のマーカー(PCNA)およびp27kip抗体Skp2抗体で多重免疫染色を行った。動脈硬化弁輪部で増殖マクロファージに一致したSkp2の発現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞および動脈硬化モデルマウスを用いた実験を進め、上記の通り仮説を裏付ける結果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
・アポE欠損マウスの動脈硬化巣におけるSkp2およびp27kipの発現を定量化することで、in vivoの実験系で動脈硬化症発症・進展におけるSkp2-p27kip経路の関与について解析する。 ・Whole body Skp2欠損マウスの骨髄を9.5 Gy照射アポE欠損マウスに静注することでSkp2欠損骨髄移植アポE欠損マウスを作製する。このマウスは骨髄由来細胞のSkp2が欠損している為、動脈硬化症病変局所におけるMφのSkp2も欠損していると考えられる。 ・Skp2欠損骨髄移植アポE欠損マウスで、動脈硬化疾患モデルであるアポE欠損マウスにAICARを8~10週間の連日皮下投与後sacrifyし、腹腔Mφの増殖誘導刺激に対する反応やSkp2発現およびSkp2活性の変化を評価し、コントロールマウスと比較検討する。 ・動脈硬化病変のサイズを定量化し動脈硬化巣におけるp27kipおよびSkp2の評価し、コントロールマウスと比較検討することでSkp2の動脈硬化症の発症・進展に及ぼす影響を解明する。
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Causes of Carryover |
残額わずかで次年度に使用する。
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[Journal Article] Inhibition of Local Macrophage Growth Ameliorates Focal Inflammation and Suppresses Atherosclerosis.2018
Author(s)
Yamada S, Senokuchi T, Matsumura T, Morita Y, Ishii N, Fukuda K, Murakami-Nishida S, Nishida S, Kawasaki S, Motoshima H, Furukawa N, Komohara Y, Fujiwara Y, Koga T, Yamagata K, Takeya M, Araki E.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 38(5)
Pages: 994-1006
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Empagliflozin suppresses atherosclerotic lesion formation in apolipoprotein E deficient mice by inhibiting macrophage activation.2018
Author(s)
Matsumura T, Murakami-Nishida S, Senokuchi T, Ishii N, Nishida S, Kondo T, Motoshima H, Araki E.
Organizer
54th EASD Annual Meeting, Berlin, Germany, Oral.
Int'l Joint Research
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[Presentation] マクロファージ局在のSGLT2を標的とした新規糖尿病大血管症抑制機序の解明.2018
Author(s)
西田彩子, 松村 剛, 瀬ノ口隆文, 石井規夫, 山田沙梨恵, 守田雄太郎, 西田周平, 佐藤美希, 本島寛之, 近藤龍也, 荒木栄一
Organizer
第61回日本糖尿病学会総会 東京, 口演