2018 Fiscal Year Research-status Report
Integrated omics analysis for non-alcoholic fatty liver disease using multiple genome cohorts
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17K09864
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10232711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 和寿 自治医科大学, 医学部, 助教 (60724416)
宮下 洋 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90301449)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝 / ゲノムワイド関連解析 / マウスモデル / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
東洋人に多く検出される非肥満非アルコール性脂肪肝(lean NAFLD)のゲノムワイド関連解析のサンプルを拡大し、lean NAFLD、277名をcase群、control群も、東北メディカルメガバンクの no NAFLD健常人群1411名のゲノムデータを用い解析した。その結果、6番染色体HLA遺伝子近傍に関連ピークが新たに検出された。3420名のゲノムDNAを用い、HLA-A, -B, -C, -DRB1, -DQB1, -DPB1のvariable exonのリシーケンスを行った結果、HLA-A*31, HLA-B*54, HLA-C*15, HLA-DRB1*07と脂肪肝との有意な関連を見いだした。また、腸内細菌叢16sメタゲノム解析から、HLA-A*31アレル保有者は、細菌叢の多様性が高く、NAFLDリスクを下げることが明らかになった。NAFLD群はno NAFLD群に比べ、細菌叢の多様性が低下していたことから、HLA-A*31は腸内細菌叢制御を介して、脂肪肝リスクを低下させる可能性が示唆された。 ゲノムワイド関連解析1次解析で見いだした13番染色体の関連領域周辺にマップされた4遺伝子についてノックダウンスクリーニングを行い、1つの遺伝子の発現低下が、コリン・メチオニン欠乏飼料による脂肪蓄積を抑制することを見出したので、CRISPR/Cas9を用いたノックアウトマウスの作製を行った。通常食では差を認めなかったが、コリン・メチオニン欠乏飼料や高脂肪食負荷によってワイルドタイプマウスに比べ、脂肪蓄積が低下する傾向が認められた。肝臓RNAを用いてトランスクリプトーム解析を行い、パスウェイ解析によって、WntやHedgehogシグナル経路の発現変化を認め、この経路に介在するSREBP1の発現変化を介して、脂肪蓄積に変化が生じていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画として挙げた到達目標の進捗状況は以下の通りである。 ①内臓脂肪蓄積レベルと健診データ、腸内細菌叢データ、生活習慣の付随したゲノムコホート集団の構築は、ほぼ目標通りの例数3420名分を収集し、データベースを構築できた。 ②構築したゲノムパネルを用いた関連解析によるNAFLDの新規関連遺伝子の同定を、東北メディカルメガバンクとの共同研究で実施し、その結果に基づく別のゲノムパネルを用いた検証が、現在進行中である。 ③腸内細菌叢とNAFLDとの関連解析を行い、ホストゲノム多型との相互作用の検討については、3420名の腸内細菌メタゲノム・16sシーケンスを既に終了した。今後、健診データや様々な表現型との関連解析を予定している。 ④遺伝解析に基づいて同定されたNAFLD関連遺伝子のウイルスベクターやモデルマウスを用いた機能的検証ならびに関連する代謝パスウェイの探索については、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
replication panelを用いたゲノムワイド関連解析が完了し、新たなNAFLD関連遺伝子座が同定された。今後は、これを用いた遺伝疫学解析、それを検証する実験研究を進めていく。具体的には、以下を予定している。 ③大規模ゲノムパネルを用いた集団遺伝的関連解析と遺伝解析に基づいて同定された新規NAFLD関連遺伝子のノックアウトマウスを用いた機能的検証ならびに関連する代謝パスウェイの探索:lean NAFLDのGWAS解析によって、有意水準(P=5×10-8)を超えるSNPのreplication解析を進めると共に、既に1候補遺伝子のノックアウトマウスを作成し終えたので、これを用いた実験的検証が進行中である。モデルマウスは、血清脂質や肝臓内脂質などの生化学的分析、病理学的解析とともに、エネルギー摂取や代謝の生理学的解析を行う。また、発現プロファイルによって明らかにした代謝パスウェイについては、WntやHedgehogシグナル経路が疑われるので、これらに関連するシグナル分子のリン酸化等の解析を行う。 ④腸内細菌叢データの附随したゲノムコホート集団を用いた統合的ゲノム解析:健診データとゲノムデータ、腸内細菌叢メタゲノムデータとをリンクさせ、統合的なデータベースを構築する。これをメタゲノム解析ソフトQiimeとPICRUSTを用いて解析することによって、腸内細菌叢に影響する因子を明らかにする。また、GWASで明らかにしたNAFLD関連遺伝子が、腸内細菌叢にも影響するかどうかについても、さらに検討を加える。
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Research Products
(4 results)