2018 Fiscal Year Research-status Report
PPARγ1エクソンC特異的ノックアウトホモマウス胎生致死の原因究明
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17K09866
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
井上 郁夫 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60232526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴成 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20406474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PPARγ / プロモータ / 脂肪誘導 / BMAL1 / CLOCK / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
PPARには糖代謝に関連するPPARγと脂質代謝に関連するPPARαと肥満に関連するPPARβ/δ、以上3種類がある。さらにPPARγには2種類存在し、脂肪誘導に関連しないPPARγ1と、脂肪誘導に関連するPPARγ2がある。そして、それぞれ、異なるプロモータによりその発現が調整せれている。PPARγ1のプロモータは、エクソンAから、PPARγ2のプロモータは、エクソンBから開始されるといわれてきた。しかしながら、我々は以前から報告されてきた脂肪誘導に関連しないといわれているPPARγ1プロモータのエクソンAと異なるプロモータであるエクソンCから転写される、新規スプライシングバリアント(SV)を発見し、脂肪誘導に関連することを明らかにした(Y Takenaka, I Inoue: PLoS One 8:e65583,2013)。また、この新規SVが時計遺伝子(Inoue I et al. J Atheroscler Thromb. 12:169-74, 2005)と関わることを見出し、PPARγ1のプロモータであるエクソンCのKOホモマウスはSV129マウスおよびC57Blackマウスの遺伝背景が異なると胎生致死あるいは正常に成長・成熟することに違いが生じることが判明した。つまり、1)SV129マウス(SV129)の遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死であり、2)C57Blackマウスの遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死を認めず正常に成長・成熟する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、以前核内受容体のperoxisome proliferator-activated receptor (PPAR)γと時計遺伝子であるCLOCK/BMAL1 が関わりのあることを国内外で初めて報告した(Inoue I, et al. J Atheroscler Thromb. 12:169-74, 2005; Nakamura K, Inoue I, et al. PPAR Res. doi: 10.1155/2008/348610, 2008)。その後、Rev-Erb βの関わりについても報告してきた(Yang F, Inoue I, et al. J Atheroscler Thromb. 20:267-76, 2013)。加えて我々は以前から報告されてきたPPARγ1と異なるプロモータであるエクソンCから転写される、新規スプライシングハリアント(SV)を発見(S Takahashi, I Inoue, et al. J Atheroscler Thromb. 17:73-83, 2010)し、PPARγ2と同様脂肪細胞分化誘導に関わることを証明した(Y Takenaka, I Inoue: PLoS One 8:e65583,2013)。2018年度までに、我々が見出した時計遺伝子に関わるPPARγ1のプロモータであるエクソンCから転写されるスプライシングハリアント(SV)のKOホモマウスを樹立した。
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Strategy for Future Research Activity |
PPARγ1発現調節しているプロモータのエクソンAとエクソンCの機能を明らかにするため、この部位特異的ノックアウト(KO)ホモマウス、つまり2018年度に樹立した①エクソンCのKOホモマウスと、②エクソンAのKOヘテロ/ホモマウス、以上の遺伝背景が異なる2系統のマウスを樹立し、時計遺伝子との関わりを比較解析する。
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Causes of Carryover |
C57Blackマウスの遺伝背景でのエクソンCのKOホモマウスを樹立したところ胎生致死を認めず正常に成長・成熟することが判明し、エクソンCの脂肪特異的KOホモマウス(Conditional)も、正常に成長・成熟したので、昨年度使用額を今年度に使用予定とした。
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