2018 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージのmRNAスプライシングを標的とした生活習慣病治療戦略の構築
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17K09869
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カルパイン-6 / CWC22 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々ははこれまでに、動脈硬化症を制御する極めて独特な機構として、細胞内プロテアーゼ「カルパイン」ファミリーを検証してきた。この中で、非プロテアーゼ型「カルパイン-6」がCWC22/pre-mRNA成熟機構に干渉し、動脈硬化症を増悪化に導くことを解明した(J Clin Invest, 2016)。分子機構としては、カルパイン-6がマクロファージの受容体非依存的な「飲作用」経路を介してnative LDLの取込みを促進し、コレステロール貯留を増加させることを解明した。当該年度までに、正常マウス脂肪組織の間質にはマクロファージの浸潤がみられ、脂肪組織内のマクロファージはカルパイン-6を発現していることが明らかとなった。カルパイン-6欠損マウスの脂肪間質を用いた次世代シーケンス解析により、いくつかのコレステロール取込みや細胞内輸送に関連する分子のスプライスバリアントが検出された。2018年度はカルパイン-6 のターゲットと考えられるCwc22の欠損マウスを作出し、その動脈硬化病変形成に対する影響について検討した。Cwc22欠損マウスのホモ接合体は胎生致死の表現型を程したため、ヘテロ接合体をLDL受容体(Ldlr)欠損背景とし、高脂肪食を負荷することで動脈硬化症モデルマウスを作製した。検討の結果Cwc22ヘテロ欠損マウスはCwc22野生型マウスと比較して動脈硬化症が促進される傾向が明らかとなり、これまでの結果を支持するものであった。さらに詳細な検討を行うため、コンディショナルなマクロファージ特異的Cwc22欠損マウスを作出する目的でCwc22flox/floxマウスを作出した。同マウスは2019年度昭和大学に導入予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CWC22と動脈硬化症の関連性が明らかとなり、カルパイン-6/CWC22分子軸の重要性がより明瞭になった。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈硬化症に関しては、マクロファージ特異的なCwc22欠損マウスの作出しこれをLdlr欠損背景とすることを検討する。肥満症に関してはカルパイン-6の骨髄キメラマウスを作出し、実験に共する予定である。
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