2017 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋グルココルチコイドレセプターへのシグナル集積の意義と機構に関する研究
Project/Area Number |
17K09876
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 宣明 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (30396890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生理学 / ストレス / 老化 / 糖尿病 / 発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
グルココルチコイド-グルココルチコイドレセプター(GR)軸をカギとする遺伝子転写制御を介した骨格筋タンパク質代謝調節(Shimizu NらCell Metabolism 2011)が、骨格筋(Muscle)-肝臓(Liver)-脂肪組織(Adipose)連携(MLA軸)によって、個体レベルのエネルギーフロー制御の重要な一翼を担っていることを明らかにした(Shimizu NらNature Communications 2015)。体内のエネルギーフローは、生活習慣病予防をはじめとした適切な体組成維持に重要であることは明白である。またその制御は摂取栄養の種類・タイミング・量、運動の強度・種類のほか、性ホルモン(エストロゲン・アンドロゲン)の影響を受ける。本研究では、これらシグナルの骨格筋GRとのクロストークに着目し、骨格筋に入力されうる様々なシグナルのエネルギーフロー制御機構における生理的意義を究明することを目的とした。筋力負荷により筋肥大が惹起されたマウス骨格筋および合成グルココルチコイドを投与した骨格筋特異的PGC1alpha4トランスジェニックマウス骨格筋においてmRNA発現解析を行い、これらに共通した発現変動を示す遺伝子候補群および特徴的な発現変動を示す遺伝子候補群を同定した。また、骨格筋特異的アンドロゲンレセプターノックアウトマウス、骨格筋特異的エストロゲンレセプターαノックアウトマウスの骨格筋においてmRNA発現解析を行い、これらに共通した発現変動を示す遺伝子候補群および特徴的な発現変動を示す遺伝子候補群を同定した。今後これら遺伝子群の機能を解析することで、副腎皮質ホルモンシグナル、性ホルモンシグナル、筋力負荷シグナルといった様々なシグナルの集積が、骨格筋代謝制御および個体レベルのエネルギーフロー制御において果たす生理的な役割が明らかになると考えられる。
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