2019 Fiscal Year Annual Research Report
Epitope specific therapy in Graves' disease
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17K09888
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
稲葉 秀文 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70447770)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バセドウ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
バセドウ病(GD)は臨床的に最も高頻度に起こる臓器特異的自己免疫疾患である。しかし、その発症機構は未だ解明されていない上に、治療法によっては死亡例もあるため、改善すべき点が多い。申請者は、GDにおけるTSH受容体(TSHR)抗原とHLA-DR結合モチーフを解明し、新規免疫寛容誘導ペプチドを開発した。 本研究の目的は、その知見を基盤として、1) GDにおける胸腺やHLA分子の役割と甲状腺自己抗原に着目し、新たなエピトープ認識機構を明らかにすること、2) 抗原特異的免疫制御による治療法開発を段階に分けて行うことである。 本研究は、GD並びにGD眼症に関する各個体における詳細かつ的確な病態解析を行い、将来的に安全かつ効果的な治療の開発を目指す。 実際に、以下の手順で研究を進めた。① 我々の実績に基づく分子免疫プロテオミクス手法を中心としたGDの抗原解析。② GDに対する中枢性免疫寛容誘導及び末梢性免疫寛容誘導。 研究①においては、我々の実績に基づく分子免疫プロテオミクス手法を中心としたGD、橋本病、免疫チェックポイント阻害剤による甲状腺障害および内分泌障害の抗原解析を行うことができた。さらに、それぞれの疾患におけるいくつかのHLAの特徴が明らかとなった。研究②においては、中枢性免疫寛容誘導及び末梢性免疫寛容誘導を誘導するペプチドについて現在も解析を行っている。その中でも、変異TSHRペプチドの免疫調節効果が明らかとなった。
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