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2017 Fiscal Year Research-status Report

Expression of Parathyroid-specific Novel lncRNA and Paucity of CaSR Characterize an Ectopic PTH-producing Tumor.

Research Project

Project/Area Number 17K09891
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

岡崎 具樹  帝京大学, 医学部, 教授 (60203973)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsPTH / lncRNA / 異所性ホルモン産生腫瘍 / ゲノム解析
Outline of Annual Research Achievements

われわれは、軟部組織肉腫(MFH)からの副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰産生が高Ca血症をもたらしした異所性PTH産生腫瘍において、(1)本腫瘍と、別患者の副甲状腺腫細胞の両者のみに発現する1500塩基から成るlncRNAの発現と(2)この腫瘍での、異所性PTH産生に必要な2個のブレーキである、CaSR(Ca感知受容体)とビタミンD受容体(VDR)の両者の無~低発現と、ビタミンD不活性化酵素CYP24A1の大量発現を認めた。(An Excess of CYP24A1, Lack of CaSR, and a Novel lncRNA Near the PTH Gene Characterize an Ectopic PTH-Producing Tumor. J. Endocrine Soc. 1, 2017, 691-711。)そして現在、このlncRNAが、異所性PTH産生腫瘍の発症の主原因の一つであるという仮説を立てエキソーム解析を行っている。 われわれは、1)このエキソーム解析のプロファイリングを通じて、コピー数変動の見られる染色体部位、および腫瘍部のみで変異を起こしている遺伝子群を同定し、サザン法、ダイレクトPCR、サンガーシークエンシングを行っている。マイクロアレイにおいては、種々のPTH非産生MFHのデータがオープンアクセスとなっており、われわれのサンプルとの差を検討できる段階にある。そして、2)異所性PTH産生MFHの解析から得たフレームシフト変異の入った遺伝子群のうちのATRXやmed1についてCrispr-Cas9 やsiRNAを用いいた遺伝子導入またはノックインする実験を計画しているところである。全部で26個という少数の変異のみが得られているので、これらの遺伝子の系統的なノックダウンアッセイも試みたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、上述のlncRNAの機能検証実験をRNA-seq実験と並行させて進行中である。このRNAはこれまでのデータベースからは知られていないlncRNAであり、その解析は全くオリジナルのアプローチ法を用いて行わざるを得ないことから、必ずしも平易ではないと予測されるが、今のところは内容的にも時間的にも順調に進んでいる。
究極的には、組織特異的発現の厳格な制御のもとに「生理的に」産生されるPTH遺伝子発現の未知の分子機構に迫り得ると確信している。今後は国内で、ごく散発的に報告されているに過ぎない異所性PTH(決してPTHrPではないもので未発表を含め国内で2例の解析可能例が存在することは確認済みである)産生腫瘍を共同研究により同様の方法で解析して今回の結果と比較検討していく予定である。また、種々の培養癌細胞では、量の差はあるものの、上述の異所性のPTH発現ではなく、その多くの場合にPTHと受容体を共有するPTHrP(PTH関連ペプチドまたはタンパク)の産生を認める。このとき認められる癌の悪性度が進行してきたときに急激に発現上昇するPTHrP発現の特徴を規定する分子機構は全く未解明である。
近年、随伴する高Ca血症のみならず、PTHrPの発現自体が担がん患者のQOLを著しく落とすことが判明しつつあるようになっており、今回の研究で得られたPTH発現に特徴的と考えられるような知見を集積すると、このPTHrPの産生機構についても何らかのヒントが見えてくる可能性が大きい。また、この、悪液質に通じる病態は、尿毒症におけるPTH(この場合はPTHrPではない)の作用機構にも通じるものがあることは非常に興味あるところでもあり、研究の進行とともに新たな視野が開けてくることが期待できる。

Strategy for Future Research Activity

上記でも触れたように、国内で、ごく散発的に報告されているに過ぎない異所性PTH (決してPTHrPではないもので未発表を含め国内で2例の解析可能例が存在することは確認済みである)産生腫瘍を同様のアプローチで解析していく予定である。lncRNA機能の解析は、現在研究を行えば行うだけの数の機能解析に繋がる状況と考えられるため、早急に結果をまとめていくことをまず念頭に置いている。具体的には、PTHの組織特異的発現にかかわる種々のRNA分子およびタンパク分子とこのlncRNAの相互関係・結合様式を網羅的に解析することを考えている。またこのlncRNAの全体像を5'-RACE法などの標準的分子生物学的解析法によって明らかにしていく予定である。
さらに、われわれは、1)このエキソーム解析のプロファイリングを行い、コピー数変動の見られる染色体部位、および腫瘍部のみで変異を起こしている遺伝子群を同定し、サザン法、ダイレクトPCR、サンガーシークエンシングを行っていきたい。マイクロアレイにおいては、種々のPTH非産生MFHのデータがオープンアクセスとなっており、われわれのサンプルとの差を検討できる段階にあることが期待される。そして、2)異所性PTH産生MFHの解析から得たフレームシフト変異の入った遺伝子群のうちのATRXやmed1について遺伝子を導入またはノックインする実験を計画しているところである。全部で26個という少数の変異のみが得られているので、これらの遺伝子の系統的なノックダウンアッセイも試みたい。
そして、ここに挙げたlncRNAから、センス・アンチセンス方向の発現ベクターを作成し、Crispr-Cas9 やsiRNAを用いた遺伝子導入またはノックインする実験を計画しているところである。

Causes of Carryover

lncRNAと遺伝子プロファイリングから得られた遺伝子の発現及びノックダウン実験の遂行が当初の予定より少々遅れており、外部業者委託が翌年度にずれ込んだため。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] An Excess of CYP24A1, Lack of CaSR, and a Novel lncRNA Near the PTH Gene Characterize an Ectopic PTH-Producing Tumor2017

    • Author(s)
      Kosuke Uchida,---- Tomoki Okazaki, Masayoshi Iizuka.
    • Journal Title

      Journal of Endocrine Society

      Volume: 1 Pages: 691-711

    • DOI

      org/10.1210/js.2017-000

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] [The Year 5] CNS Research of the Year: カルシウム・ミネラル・骨代謝2018

    • Author(s)
      岡﨑具樹
    • Organizer
      第91回日本内分泌学会学術総会
    • Invited

URL: 

Published: 2018-12-17  

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