• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

Expression of Parathyroid-specific Novel lncRNA and Paucity of CaSR Characterize an Ectopic PTH-producing Tumor.

Research Project

Project/Area Number 17K09891
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

岡崎 具樹  帝京大学, 医学部, 教授 (60203973)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 秋元 美穂  帝京大学, 医学部, 助教 (60437556)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
KeywordsPTH / lncRNA / 異所性ホルモン産生腫瘍 / ゲノム解析
Outline of Annual Research Achievements

飯田市立病院より信州大学医学部経由で新たに提供を受けたPTH(副甲状腺ホルモン)産生胃癌の1例について、原発巣のパラフィンブロックの癌組織および非癌組織からそれぞれRNAを抽出し、マイクロアレイによる両組織の比較解析に着手した。現在、これまでに異所性 PTH産生MFH(悪性線維性組織腫)の解析から得られた知見とも併せ、解析を進めている。
また、我々はこれまでの研究の過程で、異所性のPTH産生後腹膜腫瘍と別患者の副甲状腺腫細胞の2種の腫瘍細胞でのみ発現が認められるPTH遺伝子下流のlncRNA (lncRNA- X)を見出しており、このlncRNA-Xの機能解析を並行して進めた。lncRNA-X 遺伝子の向きおよび範囲をPCR wailing、RACE法により決定し、cDNA 発現ベクターを作製した。lncRNA-X 発現によるPTH発現への影響を知るため、PTH非発現のヒト乳がんT47D細胞に導入したが、PTH遺伝子の発現誘導は確認されなかった。 そこで、lncRNA-X発現が遺伝子発現に及ぼす影響を網羅的に探索するため、lncRNA-X導入細胞とベクターコントロール導入細胞の遺伝子発現パターンをマイクロアレイにより比較解析した。DAVIDやGene Set Enrichment Analysis (GSEA)などのバイオインフォマティクスツールを用いてlncRNA-X導入に伴う発現変動遺伝子のエンリッチメント解析、さらにGene ontologyやシグナリングパスウェイの探索を行った。その結果、がんの増殖や悪性進展に関与するJAK/STATシグナリングおよび細胞外基質・細胞接着に関連した遺伝子群の発現変動が確認され、lncRNA-XがT47D細胞の増殖能、運動能、浸潤能、ひいては転移能に影響を及ぼす可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

飯田市立病院より異所性PTH産生胃癌の1例の提供を受けるにあたり、その手続きに時間を要した。また、古いパラフィンブロックからのRNA抽出が難航したため、予定していた解析の着手がやや遅れた。

Strategy for Future Research Activity

現在進行中の異所性PTH産生胃癌の解析の結果と、以前我々が行った異所性PTH産生MFHのエキソーム解析およびRNA-seqなどのデータを複合的に解析し、両者に共通の変化を見出すことで異所性PTH産生の原因となりうる遺伝子あるいはlncRNA、miRNAなどを探索する。特に、これまでのPTH産生MFHの解析で異所性PTH産生機構への関与が強く疑われる、lncRNA-X と26個のフレームシフト変異遺伝子群に着目し、この中から候補遺伝子が特定されることを期待している。
PTH非発現のヒト乳がんT47D細胞を用いた検討では、lncRNA-Xの導入に伴うPTH遺伝子の発現誘導は確認されなかった。しかしながら、lncRNA-X単独ではPTH発現が誘導されない場合でも異所性PTH産生MFH で見られたようなCaSRおよびVDRの機能不全の併発によりPTHの発現・産生が亢進する可能性も考えられるので、CaSRおよびVDRの発現をsiRNAでノックダウンした場合にlncRNA-XがPTH発現に影響を及ぼすか否かについても検討する。また、マイクロアレイによる比較解析の結果からは、細胞周期や細胞増殖の制御に関与するJAK/STATシグナリングや上皮-間葉転換、細胞外基質(ECM)、細胞接着に関連した遺伝子群の発現がlncRNA-X発現に伴って変動することが明らかになった。このことから、lncRNA-XがT47D細胞の増殖能、運動能、浸潤能、ひいては転移能に影響を及ぼす可能性が考えられる。そこで、lncRNA-X発現T47D細胞を用いたIn vitroおよびIn vivoの実験系でこの点について検討する予定である。

Causes of Carryover

飯田市立病院より新たに提供を受けた異所性PTH産生胃癌の1例についての解析が現在進行中であり、異所性PTH産生の原因となりうる遺伝子あるいはlncRNA、miRNAなどを特定するためには、これまでの異所性 PTH産生MFHのエキソーム解析およびRNA-seqなどのデータとも併せて詳細に比較検討する必要がある。また、異所性PTH産生への関与が疑われていたlncRNA-Xについても、当初は予想していなかった新たな知見が得られたため、更なる検討が必要となっている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 25(OH)D3 stimulates the expression of vitamin D target genes in renal tubular cells when Cyp27b1 is abrogated2020

    • Author(s)
      Kikuyama Takahiro、Susa Takao、Tamamori-Adachi Mimi、Iizuka Masayoshi、Akimoto Miho、Okinaga Hiroko、Fujigaki Yoshihide、Uchida Shunya、Shibata Shigeru、Okazaki Tomoki
    • Journal Title

      The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology

      Volume: 199 Pages: 105593~105593

    • DOI

      10.1016/j.jsbmb.2020.105593

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 時計関連遺伝子群が、糖質コルチコイド分泌撹乱に伴う諸組織の老化に緊密に関与する2019

    • Author(s)
      2.安達(玉盛)三美、諏佐崇生、久樹晴美、秋元美穂、飯塚真由、岡崎具樹
    • Organizer
      第42回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] ヒト前立腺癌LNCaP細胞におけるDHTとビタミンD3によるHOXC遺伝子群の拮抗的な転写制御機構2019

    • Author(s)
      3.諏佐崇生、小高尚貴、飯塚眞由、安達(玉盛)三美、渡部多真紀、渡辺茂和、岡崎具樹
    • Organizer
      第42回日本分子生物学会年会
  • [Presentation] 25(OH)D3は腎細胞においてビタミンD3活性を発揮する2019

    • Author(s)
      4.諏佐崇生、菊山崇浩、安達(玉盛)三美、秋元美穂、飯塚眞由、内田俊也、柴田茂、岡崎具樹
    • Organizer
      第92回日本内分泌学会学術総会
  • [Presentation] 25(OH)D3は腎細胞においてビタミンD3活性を発揮する2019

    • Author(s)
      5.菊山崇浩、諏佐崇生、安達(玉盛)三美、飯塚眞由、内田俊也、岡崎具樹、柴田茂
    • Organizer
      第62回日本腎臓学会学術総会

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi