2020 Fiscal Year Research-status Report
Expression of Parathyroid-specific Novel lncRNA and Paucity of CaSR Characterize an Ectopic PTH-producing Tumor.
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17K09891
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
岡崎 具樹 帝京大学, 医学部, 教授 (60203973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 美穂 帝京大学, 医学部, 助教 (60437556)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PTH / lncRNA / 異所性ホルモン産生腫瘍 / ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
飯田市立病院より新たに提供を受けた異所性PTH産生胃癌の1例について、原発巣の癌組織および隣接の非癌組織の間でマイクロアレイによる比較解析を行うためRNA抽出を行った。パラフィンブロック切片をヘマトキシリンーエオジン染色して癌組織と非癌組織を特定し、マクロダイセクションにより分離した。この作業を同一腫瘍由来の複数のパラフィンブロックについて行い、3組の癌組織・非癌組織を得て、各組織からRNAを抽出した。 また、これまでの研究の過程で、異所性のPTH産生の後腹膜腫瘍と別患者の副甲状腺腫細胞でのみ発現が認められるPTH遺伝子下流のlncRNA (lncRNA X)を見出しており、その機能について解析を進めた。ヒト乳がんT47D細胞におけるlncRNA Xの強制発現では、特にSTAT1などのJAK-STATシグナリング関連の遺伝子とその下流のがん促進的な遺伝子群であるinterferon-related DNA damage resistance signature (IRDS)の発現が顕著に上昇することが分かった。IRDSは上皮-間葉転換(epithelial-mesenchymal transition, EMT)や抗がん剤耐性、転移の促進に関与することが報告されており、これに関連してlncRNA X発現のT47D細胞ではドキソルビシン耐性、浸潤能の亢進、EMT様の変化が確認された。また、lncRNA X発現のT47D細胞をヌードマウスに皮下移植したところ、腫瘍増殖には影響は認められなかったものの、肺転移が促進された。現時点では詳細な分子機序は不明であるが、T47D細胞を用いたin vitroおよびin vivoの実験系で、lncRNA XがJAK-STATシグナリングを介したIRDSの発現上昇により悪性進展を促進することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たに入手した異所性PTH産生胃癌の癌組織および非癌組織の間で比較解析を行うためRNA抽出を行ったが、パラフィンブロックが古く、マイクロアレイに利用可能なクオリティの高いRNAの獲得が難航している。コロナ感染の拡大に伴う作業の中断・遅延も伴い、部分的に計画通りの解析が進んでいない状況である
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Strategy for Future Research Activity |
異所性PTH産生胃癌の1例について、原発巣のパラフィンブロックの癌組織および非癌組織の間でマイクロアレイによる比較解析を行うためRNA抽出を行った。しかしながら、パラフィンブロックが古く、マイクロアレイに利用可能なクオリティの高いRNAの獲得には至っていない。マイクロアレイ解析が可能であれば、その結果と以前我々が行った異所性PTH産生後腹膜腫瘍のエキソーム解析およびRNA-seqなどのデータを複合的に解析し、両者に共通の変化を見出すことで異所性PTH産生の原因となりうる遺伝子あるいはlncRNA、miRNAなどを探索する。また、マイクロアレイ解析の実行が難しい場合は、これまでに行ったPTH産生腫瘍の解析で異所性PTH産生機構への関与が強く疑われる遺伝子の変異や発現量をシークエンス解析やqPCRにより解析する。特に以前の異所性PTH産生後腹膜腫瘍の解析により検出された26のフレームシフト変異に着目して解析を行い、この中から候補遺伝子が特定されることを期待している。 また、ヒト乳がんT47D細胞におけるlncRNA Xの強制発現では、当初予想していた異所性PTH発現は誘導されなかったが、STAT1とその下流のIRDSの発現上昇を介して悪性進展を促進することが新たに分かった。しかしながら、現時点では、詳細な分子機序は不明である。今後はlncRNA X によるSTAT1の発現制御に関わる分子を特定するため、lncRNA X発現のT47D細胞のマイクロアレイデータを基に、LNCipedia (https://lncipedia.org/)やmiRcode(http://www.mircode.org/)など各種データベースを活用して候補となるlncRNAやmiRNA、遺伝子を探索し、ノックダウン実験により関与の有無を確認する。
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Causes of Carryover |
飯田市立病院より新たに提供を受けた異所性PTH産生胃癌についての解析が現在も進行中であり、異所性PTH産生の原因となりうる遺伝子あるいはlncRNA、miRNAなどを特定するためには、これまでの異所性 PTH産生MFHのエキソーム解析およびRNA-seqなどのデータとも併せて詳細に比較検討する必要がある。また、異所性PTH産生への関与が疑われていたlncRNA Xについても当初の予定には無い新たな知見が得られたため、更なる検討が必要となった。
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Research Products
(7 results)