2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of hematopoietic stem cell aging regulated by epigenetic system
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17K09900
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
仁田 英里子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80401123)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / エピジェネティクス / 老化 / ポリコーム複合体 / クロマチンリモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
Bmi1過剰発現マウスについて、造血幹細胞の加齢に伴う変化を解析した。 Bmi1を過剰発現することにより、マウスは約2年の老齢でも貧血や血小板減少の進行が 軽度で造血が維持される。骨髄移植解析により、このときBmi1過剰発現 マウスでは造血幹細胞の幹細胞機能、すなわち長期再構築能と自己複製能が増強して いることを明らかにした。 老齢マウスにおける骨髄造血細胞分画の詳細な解析を行うと、Bmi1過剰発現マウスでは最も未分化な静止期幹細胞が含まれるCD41陰性分画が減少し、加齢に伴って増加することが知られるCD41陽性の分画が増加して、造血細胞分画の構成はむしろ老化形質が増強する様に見られた。しかしその中で幹細胞の長期再構築能を保持している細胞は、野生型同様CD41陰性分画に存在しており、Bmi1は造血幹細胞の見た目上の形質は変えずに幹細胞機能を増強していると考えられた。 つまりBmi1は加齢に伴って造血幹細胞を数的に制御するのではなく、元々存在する少数の造血幹細胞の機能を増強することに貢 献しており、また分化については関与しないか、むしろ老化に似た方向へ制御している可能性を示唆した。これらのマウスの造血幹細胞を用いたChIPシークエ ンス及びRNAシークエンスを行ってBmi1の標的遺伝子を同定し、さらには野生型では加齢に伴ってこれらのBmi1標的遺伝子のいくつかが脱抑制して発現が増加す ることを明らかにした。造血幹細胞は老化に伴ってこれらの分子が発現することで幹細胞性が失われることを示し、Bmi1の過剰発現により抑制を保つことで造血幹細胞が維持できる可能性を示唆した。 本年度は、これらの内容および並行して進めてきた造血幹細胞ニッチの老化制御について2報の論文にまとめて投稿し、それぞれBiochem Biophys Res Commun誌およびExp Hematol誌に掲載された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Bmi1 restricts the adipogenic differentiation of bone marrow stromal cells to maintain the integrity of the hematopoietic stem cell niche.2019
Author(s)
Kato Y, Hou LB, Miyagi S, Nitta E, Aoyama K, Shinoda D, Yamazaki S, Kuribayashi W, Isshiki Y, Koide S, Si S, Saraya A, Matsuzaki Y, van Lohuizen M, Iwama A.
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Journal Title
Exp Hematol.
Volume: 76
Pages: 24-37
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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