2018 Fiscal Year Research-status Report
高感度シングルセル解析を用いたヒト造血幹細胞分画の層別化
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17K09906
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 康雄 九州大学, 大学病院, 助教 (90573345)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 層別化 / CD35 / 補体 / ストレス造血 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までにCD34+38-CD90+のヒト造血幹細胞分画中にCD35を発現する亜分画が存在することを明らかにしていた。CD35が補体系の制御因子であることから、本年度は補体系に関する機能解析を進めた。ヒト血清の添加培養系において、CD35+HSCはCD35-HSCより細胞表面へのC3b沈着が有意に少ないことが確認された。この特徴はCD35阻害抗体や可溶性CD35を加える事でキャンセルされた。次いでin vivoでの機能解析として、CD35陽性/陰性HSCを補体活性が失われている免疫不全マウス(NSG)と維持されている免疫不全マウス(BRGS)に異種移植し、ヒト造血の再構築能を解析した。NSGマウスにおいてはCD35陽性/陰性HSCは同等のヒト造血を再構築したが、BRGSマウスへの移植ではCD35+HSCのみが生着可能であった。放射線による前処置後の異種移植系においては、CD35+HSCは活性化した補体系から逃避し、生存・増殖優位性を示すことが明らかとなった。 化学療法後の患者サンプルにおいても、治療後の早期相においてHSC分画中のCD35陽性細胞の比率が高いことが確認され、stress hematopoiesisにおいてはCD35+HSCが重要な役割の担っている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSC層別化分子(CD35)の同定に成功し、FACSで前向きに純化して、その機能的意義まで明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに得られた結果を基に、論文作成予定。 またCD35発現制御メカニズムの解明や特定のニッチ構成細胞との連関がないかなど研究を進めていく予定としている。
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Research Products
(1 results)