2017 Fiscal Year Research-status Report
ATLにおける慢性活性化T細胞受容体経路を標的とした創薬基盤の構築
Project/Area Number |
17K09932
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉満 誠 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70404530)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 博満 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20392079)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | CARD11 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人T細胞白血病・リンパ腫への新規治療法開発を行うため、これまでに49例の急性型ATL細胞を用いたエクソーム解析を行った。既報と同様に約65%の症例でPLCG1、PRKCB、CARD11に機能獲得型変異を検出できた。PLCG1、PRKCB、CARD11はいずれもCARD11の凝集を通じてNFkBを活性化させるため、CARD11の凝集阻害による新規抗ATL薬の開発を目指した。CARD11の凝集にはSH3ドメインとGUKドメインのシス・トランス会合が重要である。SH3ドメインとGUKドメインに対してそれぞれTagをつけ、凝集を観察できるFLUOPPIアッセイ系は樹立できた。NF-kBプロモーター下にGFP cDNAをもつJurkat細胞を用いたスクリーニングで抽出された238種類のNFkB阻害候補物質でのスクリーニングを行ったが有意な化合物は得られなかった。陽性コントロールの確認としてTagなしGUKドメインを共発現させたところ、凝集を解除できなかった。陽性コントロールが最適化されていない中で、ハイスループットスクリーニングを行うことはしない。現在CARD11の下流分子の反復性変異に着目し、新規機能獲得型変異の可能性について検討している。もう一つのテーマであるCARD11機能獲得型変異導入ノックインマウスについては、ヘテロ・ホモの状態で胎生致死ではないことが判明した。ホモマウスを用いたリンパ球機能解析、形質解析、リンパ腫形成性を検討する基盤ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CARD11のSH3ドメインとGUKドメインの結合解除については、結晶構造が明らかとなっていないため結合解除ができない原因が不明である。CARD11が治療標的となりうるかの検討が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
X線結晶構造解析により、SH3ドメインとGUKドメインの結合についての評価をあわせて行っている。これまでCARD11の結晶構造解析は行われておらず、創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS)プラットフォーム機能最適化ユニットの支援を申請した。CARD11ノックインマウスについては十分に週齢を重ねてきており、今後リンパ球を中心とした形質解析を行う。
|