2018 Fiscal Year Research-status Report
潜伏感染ウイルスが関与するリンパ系腫瘍の発症と進展におけるHLAの意義の解明
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17K09934
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
森島 聡子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40463195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益崎 裕章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291899)
玉城 啓太 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (40806452) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HLA / 潜伏感染ウイルス / リンパ系腫瘍 / HTLV-I / 成人T細胞白血病リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児期に感染したHTLV-I (ヒトT細胞白血病ウイルス)が原因で発症する成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)や成人の大部分が潜伏感染しているEpstein-Barr ウイルスが関与する悪性リンパ腫など潜伏感染ウイルスが関連するリンパ系腫瘍の発症や進展において、免疫を司る重要な分子であるヒト組織適合性抗原(HLA)の意義を解明することを目的としている。次世代シーケンサーを用いてHLA遺伝子解析を行い、非コード領域を含むHLA遺伝子解析を進め、腫瘍細胞におけるHLAの遺伝子異常や発現異常を検討する。 平成29年度より構築を開始した患者検体保存システムを用いて、ATLLを含むリンパ系悪性腫瘍の患者とHTLV-Iキャリアを前向きに登録し、外来での経過観察時や治療前、治療後など経時的に臨床データの収集と患者の検体保存を継続して行った。保存した検体より抽出したDNAを用いて、ATLL患者とHTLV-IキャリアのHLAタイピングをLuminex法にて行い、HLAアリル頻度及びHLAハプロタイプ頻度の差を検討した。 さらに、昨年度に引き続きATLL細胞に特異的に発現しているCADM1を指標として、ATLL患者の末梢血単核球より磁気ビーズを用いて腫瘍細胞を分離し、正常細胞及びATLL細胞からDNAとRNAを抽出した。次世代シーケンサーによるHLAタイピングを行い、非コード領域を含むHLA遺伝子解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に構築したシステムによって、本研究期間内に円滑に患者検体を保存することができた。保存した多数例の検体を用いて従来のHLAタイピング法であるLuminex法でHLTV-IキャリアとATLL患者のHLA解析を行い、アリル頻度やハプロタイプ頻度を解析することができた。CADM1を指標としたATLL患者の腫瘍細胞を分離してHLA遺伝子解析を行い、腫瘍細胞に生じているHLA遺伝子の異常について詳細な解析が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、患者の登録と検体の収集を行う。得られた検体より抽出したDNAとRNAを用いて、次世代シーケンサーで解析する。ATLLの患者末梢血リンパ球におけるHLA class I及びclass II分子の発現をフローサイトメトリーにて解析し、遺伝子解析の結果及び、臨床経過と合わせて解析し、バイオマーカーとしての意義を検索する。
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Causes of Carryover |
現在までに保存された検体を用いて、末梢血単核球からの腫瘍細胞の分離とHLA遺伝子解析及び発現解析を行っている。今後、検体数を増やして解析を行う予定であり、次年度で追加分の試薬を購入する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Reference Grade Characterization of Polymorphisms in Full-Length HLA Class I and II Genes With Short-Read Sequencing on the ION PGM System and Long-Reads Generated by Single Molecule, Real-Time Sequencing on the PacBio Platform.2018
Author(s)
Suzuki S, Ranade S, Osaki K, Ito S, Shigenari A, Ohnuki Y, Oka A, Masuya A, Harting J, Baybayan P, Kitazume M, Sunaga J, Morishima S, Morishima Y, Inoko H, Kulski JK, Shiina T.
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Journal Title
Front Immunol.
Volume: 9
Pages: 2294
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Evaluation of two prognostic indices for adult T-cell leukemia/lymphoma in the subtropical endemic area, Okinawa, Japan.2018
Author(s)
Tamaki K, Morishima S, Nomura S, Nishi Y, Nakachi S, Kitamura S, Uchibori S, Tomori S, Hanashiro T, Shimabukuro N, Tedokon I, Morichika K, Taira N, Tomoyose T, Miyagi T, Karimata K, Ohama M, Yamanoha A, Tamaki K, Hayashi M, Uchihara JN, Ohshiro K, Asakura Y, Kuba-Miyara M, Karube K, Fukushima T, Masuzaki H.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 109
Pages: 2286-2293
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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