2020 Fiscal Year Research-status Report
潜伏感染ウイルスが関与するリンパ系腫瘍の発症と進展におけるHLAの意義の解明
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17K09934
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
森島 聡子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40463195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益崎 裕章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291899)
玉城 啓太 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (40806452) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 潜伏感染ウイルス / HTLV-I / 成人T細胞白血病リンパ腫 / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳児期に感染が成立するHTLV-I (ヒトT細胞白血病ウイルス)が原因で発症する成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)や成人の大部分が潜伏感染しているEpstein-Barr ウイルスが関与する悪性リンパ腫など潜伏感染ウイルスが関連するリンパ系腫瘍の発症や進展において、ヒト組織適合性抗原(HLA)の意義を解明することを目的としている。これまで、主にATLの発症に特定のHLAが関与するのか、またATL細胞にどのようなHLAの遺伝子異常が生じるかか解析を進めている。 ATLの患者とHTLV-Iキャリアを前向きに登録し、HLA class I及びclass II遺伝子のタイピングを行った。ATL患者においてHTLV-Iキャリアに比べて頻度の高いHLAアレルが認められ、キャリアからATLの発症に特定のHLAが関与している可能性が示唆された。 また、ATL細胞に生じるHLA遺伝子の異常を解析するため、ATL急性型と慢性型の症例の末梢血よりATL細胞と正常細胞の各分画よりDNAを抽出し、long-range PCR法によるHLA遺伝子全領域の変異解析を行った。急性型ATLでは高率にHLA class I 遺伝子のloss of heterozygosity (LOH) もしくは非同義置換・挿入/欠失などタンパク質の構造に影響を及ぼしてHLAの発現を低下させる可能性を示唆する変異の存在を認めた。さらに、HLA class I遺伝子異常が認められた症例では、認められない症例よりも生存が悪い傾向があった。これらの結果より、ATLでは病勢の進行に伴いHLA遺伝子異常を獲得して、免疫から回避する細胞が増殖している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内に構築したシステムによって、円滑に患者検体を保存し、解析を進めることができている。HLTV-IキャリアとATL患者のHLA解析を行い、アレル頻度やハプロタイプ頻度を解析し、ATLの発症と関連する可能性のあるHLAを検索し、特定のHLAがATL発症に関与している可能性を示すことができた。さらに、ATL細胞に生じるHLA遺伝子の異常の解析を行い、急性型ATLでは腫瘍細胞表面上で正常なHLAを発現できない遺伝子異常が生じる可能性を示すことができた。研究成果の学会発表を行い、英文論文としてまとめて投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果について英文論文としてまとめ現在投稿中である。この研究期間内に得られた成果をもとに、さらに多数例において腫瘍細胞のHLA遺伝子異常及びHLAのRNA発現解析を進めている。ゲノムレベルで生じるHLA遺伝子異常、RNA発現解析を臨床データと統合し、ATLに生じるHLA遺伝子異常のバイオマーカーとしての意義を明らかにする研究に繋げる予定である。
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Causes of Carryover |
現在論文投稿中であるが、追加解析の必要性を考慮し、そのための試薬購入に使用する。また、論文公表のための費用に使用する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Individual HLAs influence immunological events in allogeneic stem cell transplantation from HLA-identical sibling donors. Bone Marrow Transplant.2021
Author(s)
Morishima S, Fukuda T, Doki N, Mori T, Onizuka M, Kawakita T, Kato C, Ozawa Y, Tanaka M, Kurokawa M, Kamimura T, Inoue M, Tanaka J, Ichinohe T, Atsuta Y, Morishima Y.
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Journal Title
Bone Marrow Transplant.
Volume: 56
Pages: 646-654
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Capturing Differential Allele-Level Expression and Genotypes of All Classical HLA Loci and Haplotypes by a New Capture RNA-Seq Method.2020
Author(s)
Yamamoto F, Suzuki S, Mizutani A, Shigenari A, Ito S, Kametani Y, Kato S, Fernandez-Vina M, Murata M, Morishima S, Morishima Y, Tanaka M, Kulski JK, Bahram S, Shiina T.
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Journal Title
Front Immunol.
Volume: 11
Pages: 941
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] The impact of individual HLAs on survival after allo-HSCT from HLA-matched donors for ATL patients.2020
Author(s)
Morishima S, Shindo T, Utsunomiya A, Ishida T, Fukuda T, Nakano N, Sawayama Y, Miyamoto T, Ichinohe T, Atsuta Y, Yoshimitsu M, Kato K. Kawakita T, Eto T, Suehiro Y, Sawayama Y, Miyamoto T, Ichinohe T, Atsuta Y, Yoshimitsu M, Kato K.
Organizer
第82回日本血液学会学術集会