2017 Fiscal Year Research-status Report
新規RUNX1阻害因子による造血制御機構の解明と分子標的としての応用
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17K09936
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30291587)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RUNX1 / 白血病 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血発生制御および白血病発症において重要な働きを担うRUNX1の阻害因子CRP1を発見し、CRP1によるRUNX1阻害メカニズムの生化学的・分子生物学的解析を行った。CRP1とRUNX1の結合部位を探索した。RUNX1は451アミノ酸(AAs)からなるが、1-177 AAs (N末端のDNA結合領域runtのみ)、1-371 AAs (runtと転写活性化領域を含む)の欠失変異体を作成した。これらとCRP1を哺乳動物細胞内で発現させて免疫沈降法を行った。その結果、CRP1はRUNX1の1-177 AAs領域と結合することが判明した。また、CRP1のN末端部位とC末端部位の欠失変異体を作成して全長RUNX1と免疫沈降を行った。その結果、CRP1のC末端部位で結合していることが明らかとなった。次に、RUNX1変異体を用いて結合実験を行った。RUNX1のメチル化されるアルギニンをリシンに置換した変異体(KTAMK)を用いて免疫沈降実験を行った結果、CRP1はKTAMKと結合した。このことから、このアルギニンのメチル化はCRP1との結合に必要ではないことが明らかになった。また、白血病患者からクローニングされた174番目のアルギニンがグルタミンに置換した変異体(R174Q)との結合実験を行った。この変異体はDNA結合できないことが知られている。免疫沈降実験の結果、CRP1はR174Qと結合することが明らかになった。そして実際にCRP1は既知の標的遺伝子のRUNX1による転写活性化を抑制するということを確認している。CRP1およびCRP2欠損マウスを導入し、現在、RUNX1遺伝子改変マウスと交配させ、表現型の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、CRP1によるRUNX1阻害メカニズムの生化学的・分子生物学的解析を行う予定であった。計画していた、CRP1結合部位の探索ではRUNX1のDNA結合領域runtを含むN末端部位とCRP1のC末端部位が結合することを明らかにすることができた。RUNX1翻訳後修飾による影響については、メチル化部位の変異体でもCRP1と結合できることを明らかにした。また、白血病由来RUNX1変異遺伝子に対する影響も解析することができた。RUNX1融合遺伝子については今後行う予定である。また、既知RUNX1標的遺伝子群の実験系を用いて、この遺伝子の転写制御もCRP1によって阻害されることを見出すことができた。計画通りにCRP1ノックアウトマウスとRUNX1遺伝子改変マウスと交配させて、その表現型の解析を行っている。また、この実験ではCRP2欠損マウスを対照とすることで客観性が担保できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画書通りに研究を推進する。CRP1ノックアウトマウスとRUNX1遺伝子改変マウスと交配させたマウスの表現型の解析を継続して実施する。ここでは、CRP2欠損マウスとの交配実験を対照とすることで客観性を高める。また、RUNX1融合遺伝子に対するCRP1の影響ついての解析を行う。計画書の平成30年度以降の実験計画に記載したように、RUNX1-CRP1結合阻害化合物の探索を行う。ハイスループットスクリーニングを実施するために、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の実験系を構築する。
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Research Products
(4 results)