2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel chronic GVHD treatment based on the effects of the new therapeutic agent on helper/regulatory T cells
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17K09955
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西森 久和 岡山大学, 大学病院, 助教 (70756064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 嘉信 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60403474)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | タミバロテン / Th1細胞 / Th17細胞 / 制御性T細胞 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血液悪性疾患に対する同種造血幹細胞移植の合併症である慢性移植片対宿主病(GVHD)を克服するために、ヘルパーT細胞と制御性T細胞(Treg)のバランスをコントロールすることにより、GVHDを抑制する「次世代の治療法」を目指すものである。まず、難治性慢性GVHDに対するタミバロテン投与の臨床第Ⅱ相試験において、フローサイトメトリー法により細胞内サイトカイン染色を施行することで、タミバロテン投与前後でのTh1、Th17細胞とTregを時系列で測定し、慢性GVHDに対して、最適な治療効果が発現している状況でのTh1、Th17、Tregバランスの解析を明確化した。全症例におけるそれぞれの細胞の割合を求め、統計学的解析をおこなっただけでなく、特に著明な効果を認めているときのTh1、Th17、Tregバランスの特徴について検討した。また、最適な慢性GVHD治療下でのサイトカイン、ケモカインのプロファイルを確立するために、Th1、Th17、Treg以外のサイトカイン、ケモカインを測定するための臨床検体の保存を行った。最終年度はこの保存臨床検体を用いた核種解析によりフローサイトメトリーでの解析結果との整合性を確認した。 また、慢性GVHDマウスモデルにおいて、最適なTh1、Th17、Tregバランスを再現するようにタミバロテン投与を調節する実験は特に肺病変に着目して解析を施行したが、最適なタイミングと投与量での慢性GVHD治療介入をするためのデータを得ることができなかった。最終結果として臨床検体を用いた解析を元に論文執筆をおこなったが、最終年度中での投稿には至らなかった。
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