2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatment in systemic sclerosis by regulating of apelin/APJ signaling
Project/Area Number |
17K09968
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横山 洋子 群馬大学, 医学部, 技術専門職員 (00241901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 精一郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20420185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / 線維化 / アペリン / 治療 / APJアゴニスト / MM07 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、強皮症皮膚ではTGF-βシグナルの活性化とアペリンを分泌する脂肪細胞の減少が皮膚線維化の亢進や血管障害に関連している可能性を示唆した。 本研究では、アペリン受容体APJのバイアス型アゴニストであるMM07について、全身性強皮症の皮膚線維化や血管障害の病態改善への効果を検討した。健常人由来皮膚線維芽細胞をTGF-βで刺激しMM07を添加したところ、αSMA、I型コラーゲンのmRNAおよびタンパクの発現は有意に低下した。さらにアペリンの1/10の濃度で発現が低下することがわかった。MM07添加によりリン酸化Smad2/3発現も低下していた。ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスへのMM07投与による皮膚線維化への影響ついての検討では、マウスの腹腔内にアペリンの1/10量のMM07を投与し、線維化部位のマッソントリクローム染色を行ったところ、MM07投与群でブレオマイシンによって生じた線維化の抑制がみられた。線維化部位のαSMA陽性の筋線維芽細胞数もMM07投与群で有意に低下していた。炎症細胞数は、ブレオマイシン投与により増加したCD3+ T細胞はMM07投与群で減少傾向にあったが有意差はなかった。CD68+マクロファージもブレオマイシン投与により増加したが、MM07投与による変化はなかった。CD31+血管内皮細胞数はブレオマイシン投与およびMM07投与による変化はなかった。強皮症患者の臨床症状と血清中アペリン値についての検討では、血清アペリン値とスキンスコア(MRSS)に負の相関傾向がみられた。 本研究により、APJアゴニストであるMM07はアペリンよりも少ない量で皮膚線維化を抑制することが明らかになった。MM07は既にヒトへの投与による末梢血流増大効果や安全性が示されていることから、強皮症の皮膚線維化、血管障害に対する臨床応用へ期待できると考えた。
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