2017 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞を標的とした全身性エリテマトーデス新規創薬研究
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17K09971
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄田 宏文 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20529036)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 樹状細胞 / 全身性エリテマトーデス / PADI4 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
induced pluripotent stem cell(iPSC)を用いた全身性エリテマトーデス(SLE)の病態解明及び新規治療法の開発を目的とした研究を進めた。iPSCをintereferon(IFN)高産生CD123+樹状細胞(DC)へと分化させるプロトコールを確立した。また、このCD123+DCの分化にはTLR signal, IFN signal, mTOR signalがそれぞれ必須であることを薬剤による阻害実験で確認した。また、ゲノム編集によりSLE risk variant(IFIH1)変異をiPSCに導入することで、risk variant dependentなIFN産生、細胞死(アポトーシス)の増加、ミトコンドリア代謝の亢進を認めた。メトホルミンによるミトコンドリア代謝の阻害により、細胞死が軽減することを確認した。CD123+DCのRNAseqによるtranscriptome解析では、risk variant dependentなIFN signature geneの強い発現亢進を認めた。 PADI4 KOマウスにおけるimiquimod(IMQ)塗布SLEモデルでは、腎炎の軽減を認めたが、血清dsDNA抗体値、腎臓における免疫複合体沈着にはWT, KOで差がみられなかった。一方で腎臓への好中球浸潤がKOで減少し、in vivoの移入実験でもPADI4 KO好中球の腎への遊走低下がみられた。PADI4 KO好中球のRNAseqによるtranscriptome解析ではR848刺激後のFos発現低下、MAPK pathwayの低下がみられ、in vivoの現象の理由と考えられた。これらの解析結果からはPADI4はSLEの新規治療標的と考えられ、好中球の炎症局所への遊走抑制がSLEの有効な治療戦略となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPSCのゲノム編集が順調に進んだため、当初の予定通り機能解析、遺伝子発現解析を十分に進めることができた。PADI4 KOマウスについては、当初予定していた実験はほぼ終了し、論文作成準備中となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集したiPSC由来CD123+DCを用いたSLE治療標的の同定を推進する。具体的にはRNAseqのデータ解析を進め、hubとなる遺伝子について、ゲノム編集またはshRNAによる抑制実験を行い、IFN産生の抑制が可能かを検討する。またゲノム編集後のiPSC由来CD123+DCにc-myc遺伝子を導入することで細胞株化を行い、より詳細な解析と薬剤スクリーニングを行うことができる系を確立することを目標とする。 これらの検証の結果同定された治療標的について、マウスモデルを用いたSLE治療実験を行い、有効性、in vivoにおける作用機序の検討を行う。 PADI4 KOマウスについては論文発表をめざす。
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Causes of Carryover |
出張旅費に関する支出を他財源から行ったため、予算残額が発生した。引き続き本年度の出張旅費として必要額の使用を予定する
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[Journal Article] .Polygenic burdens on cell-specific pathways underlie the risk of rheumatoid arthritis.2017
Author(s)
Ishigaki K, Kochi Y, Suzuki A, Tsuchida Y, Tsuchiya H, Sumitomo S, Yamaguchi K, Nagafuchi Y, Nakachi S, Kato R, Sakurai K, Shoda H, Ikari K, Taniguchi A, Yamanaka H, Miya F, Tsunoda T, Okada Y, Momozawa Y, Kamatani Y, Yamada R, Kubo M, Fujio K, Yamamoto K.
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Journal Title
Nat Genet.
Volume: 49
Pages: 1120-1125
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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