2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of signaling pathways identified by transcriptome analysis of rheumatoid arthritis samples
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17K09972
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
住友 秀次 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20392996)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / トランスクリプトーム解析 / パスウェイ解析 / 発現変動遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、関節リウマチ患者末梢血の詳細なCD4陽性T細胞亜分画のトランスクリプトーム解析を、遺伝子群(module)を用いた手法(WGCNA)で行い、論文発表した(Sumitomo S, et al. Journal of Autoimmunity 2018;89:21-9)。RICTOR(mTORC2関連分子)・KDM5B(ヒストン脱メチル化酵素)・T細胞受容体・酸化的リン酸化に関連したシグナル経路を、関節リウマチに特徴的な異常として新たに同定し、共刺激阻害剤(CTLA4-Ig)であるアバタセプトの投与によって、これらの変化が減弱することを明らかにした。 また、健常人の105名の末梢血5分画(CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞、B細胞、NK細胞、Monocyte)とSNPから遺伝子カタログを作成し、関節リウマチのGWASデータと統合することで、関節リウマチではCD4陽性T細胞におけるTNFパスウェイの活性化が推測された(Ishigaki K, et al. Nature Genetics 2017;49(5):110-5)。 これらの結果は、第61回日本リウマチ学会学術集会、第38回日本炎症・再生医学会、第19回アジア太平洋リウマチ学会(APLAR)で発表された。第38回日本炎症・再生医学会では優秀演題賞を受賞した。 その後、B細胞・Monocyte等も含めたより詳細な関節リウマチ末梢血の亜分画を網羅的にトランスクリプトーム解析を行っている。この解析では、薬剤投与による影響も検討している。その結果から関節リウマチに特徴的な変化を呈する分画・遺伝子群・シグナル経路の抽出を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチ患者末梢血のCD4陽性T細胞亜分画のトランスクリプトーム解析と、遺伝子群(module)解析は論文化され、関節リウマチにおけるTCR刺激異常、mTORシグナル、KDM5B、酸化的リン酸化異常が推測された。また、健常人末梢血遺伝子発現カタログをもとにした関節リウマチのGWAS情報との統合が論文化され、パスウェイ解析のみならず、eQTL効果のあるSNPと影響を与える細胞分画の推定が可能となった。 現在、関節リウマチ末梢血のトランスクリプトーム解析を、B細胞・Monocyte等も含めたより詳細な亜分画を網羅的に解析し、関節リウマチに特徴的な変化を呈する分画・遺伝子群・シグナル経路の抽出を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、関節リウマチ患者末梢血の詳細な亜分画の解析を行っており、どの細胞分画において、どのような遺伝子によって制御され、シグナルのどの部分が関節リウマチの病態と強く関連するのかを明らかにしつつある。これらの検討を基に、関節リウマチの血球を用いた、mTORシグナル経路、酸化的リン酸化についての評価を試みている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、2,512円で購入可能な試薬が存在しなかったことから生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて、試薬を購入するために使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Polygenic burdens on cell-specific pathways underlie the risk of rheumatoid arthritis2017
Author(s)
Ishigaki Kazuyoshi, Kochi Yuta, Suzuki Akari, Tsuchida Yumi, Tsuchiya Haruka, Sumitomo Shuji, Yamaguchi Kensuke, Nagafuchi Yasuo, Sakurai Keiichi, Shoda Hirofumi, Okada Yukinori, Momozawa Yukihide, Kamatani Yoichiro, Yamada Ryo, Kubo Michiaki, Fujio Keishi, Yamamoto Kazuhiko, et al.
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Journal Title
Nature Genetics
Volume: 49
Pages: 1120~1125
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 関節リウマチ患者の末梢血CD4+T細胞で同定された疾患活動性と相関する遺伝子群とアバタセプトの影響2017
Author(s)
住友 秀次, 永渕 泰雄, 石垣 和慶, 土田 優美, 土屋 遥香, 太田 峰人, 仲地 真一郎, 加藤 里佳, 櫻井 恵一, 花田 徳大, 神田 浩子, 立石 晶子, 高地 雄太, 藤尾 圭志, 山本 一彦
Organizer
第61回日本リウマチ学会総会・学術集会
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[Presentation] 関節リウマチ患者の末梢血CD4+T細胞で同定された疾患活動性と相関する遺伝子群とアバタセプトの影響2017
Author(s)
住友 秀次, 永渕 泰雄, 石垣 和慶, 土田 優美, 土屋 遥香, 太田 峰人, 仲地 真一郎, 加藤 里佳, 櫻井 恵一, 花田 徳大, 神田 浩子, 立石 晶子, 高地 雄太, 藤尾 圭志, 山本 一彦
Organizer
第38回日本炎症・再生医学会
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[Presentation] A gene module associated with dysregulated TCR signaling pathways in CD4+ T cell subsets in rheumatoid arthritis2017
Author(s)
Shuji Sumitomo, Yasuo Nagafuchi, Yumi Tsuchida, Haruka Tsuchiya, Mineto Ota, Kazuyoshi Ishigaki, Shinichiro Nakachi, Rika Kato, Keiichi Sakurai, Norio Hanata, Shoko Tateishi, Hiroko Kanda, Akari Suzuki, Yuta Kochi, Keishi Fujio, Kazuhiko Yamamoto
Organizer
19th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (APLAR 2017)
Int'l Joint Research