2017 Fiscal Year Research-status Report
The role of myostatin for osteoporosis and cachexia in rheumatoid arthritis.
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17K09974
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
和田 庸子 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30608534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 毅 新潟大学, 保健管理・環境安全本部, 准教授 (00372475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 筋肉減弱症 / サルコペニア / 骨粗鬆症 / マイオカイン / ミオスタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
[関節リウマチ(RA)患者における血中ミオスタチン、FGF2、IL-6 と疾患活動性および関節病変、骨密度、体脂肪量、筋肉量についての横断的解析]実臨床でのRA 患者を対象としたマイオカインに関連した研究報告は存在しない。そこで今回測定するマイオカインとして特に本研究に重要と考えられたミオスタチン以外に、ELISA 測定系が安定して確立しており、かつミオスタチンとは異なる機序でRA の病態形成や、骨粗鬆症、筋肉減弱症との関連が示唆されるFGF2 とIL-6 を選択し、これらの因子のRA に対する臨床的意義を明確にし、RA 疾患活動性や治療法(特に生物学的製剤などの抗サイトカイン治療)の与える影響について、昨年度に本研究参加の承諾を得た178 例のRA 患者を対象とし、以下の計画を実施中である。 ①血清マイオカイン測定;血清ミオスタチン、FGF2、IL-6 をそれぞれ測定中である。②患者病歴および治療内容、血清採取時点の疾患活動性評価;血清CRP 値、RF 値、腫脹関節数、疼痛関節数、DAS、腰椎及び大腿骨頸部の骨密度(DEXA 法により測定する)、身長、体重、BMI、および体脂肪量、筋肉量、除脂肪体重(bioelectrical impedance analysis (BIA 法)により測定する)、病歴、合併症および治療内容;RA の病歴、既往歴と合併症、薬剤使用歴、生物学的製剤の有無と種類、ステロイド使用の有無と使用量、DMARD の種類と使用量、骨粗鬆症治療薬の有無と種類などのデータを収集中である。これらを元に、血清ミオスタチン値、FGF2 値、IL-6 値とRA 疾患活動性、関節病変、骨密度、筋肉量、体脂肪量、および治療プロファイル、特に生物学的製剤の有無と種類、ステロイド使用の有無、骨粗鬆症治療薬の有無と種類の関連について、横断的な統計解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の患者のリクルートは目標200名にわずか及ばなかったものの、概ね目標通りの患者数(178名)に達しており、外来レベルで可能な検査、及び筋肉量の測定はすでに終了しており、データ収集を行なっている最中である。血清マイオカインのELISA測定については、ELISA kitの必要数が当初の予定より多くなってしまい、一部の検体でまだ測定が行われていないが、本年度早い時期に測定を終える予定である。これらの作業が終了すれば、まず当初の目標である「関節リウマチ患者における筋肉減弱症、骨粗しょう症と、マイオカインの関与」についての横断研究を行うことができる。これについては来年度の国内外のリウマチ関連の学会での発表及び論文作成へと繋げていく予定である。 また、近日中に本年度の予定である1年後の患者リクルート及びデータ取りを行う予定としており、前向き試験用のデータ収集を控えており、総合的には概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で示した通り、関節リウマチ(RA)患者の関節病変、RA 関連骨粗鬆症、筋肉減弱症の横断的なデータ解析を行い、国内外での学会発表や論文作成を行なっていく予定である。また初年度にデータを得た症例を中心に、1年後の変化を観察し、血中ミオスタチン(もしくはFGF2、IL-6)濃度の変化がRA 関節病変、骨密度や体脂肪量、筋肉量、さらに疾患活動性や治療内容と関連するかどうかを評価する。これらの検討からRA 関連骨粗鬆症や筋肉減弱症の進行の危険因子を同定し、関連する知見を集積する予定である。 また、上記で判明した結果をもとに、RA 関連骨粗鬆症および筋肉減弱症、さらには関節病変進行の危険性の層別化および治療薬剤選択による病変進行の予防的治療法の立案につなげることで、実臨床にフィードバックすることで治療への貢献が得られることを目標とする。特に生物学的製剤治療の有無および種類の選択、ステロイド治療の影響について重点的に検討を行う予定である。 ータの解析とともに、国内外への成果発表の整理・準備を平行して行う。
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