2018 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム誘導性シグナルを介すHTLV-1による関節リウマチ病態修飾機構の解明
Project/Area Number |
17K09979
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
梅北 邦彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (20506084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 昭彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70204047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒトT細胞性白血病ウイルス(HTLV-1) / 関節リウマチ / エクソソーム / パターン認識受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,HTLV-1感染細胞由来エクソソームによる関節リウマチ滑膜細胞(RASF)の活性化機構について基礎的研究を進め,HTLV-1陽性関節リウマチ(RA)の病態修飾機構を解明する.これまで,HTLV-1感染細胞株はHTLV-1非感染細胞株に比べてエクソソーム産生が亢進しており,HTLV-1感染細胞由来エクソソーム中にはRNAやDNAが大量に含有されていること,HTLV-1関連蛋白をコードするmRNAが存在することを証明した.エクソソームとTNFαやIFNγで共刺激したRASFでは,IL-6,CXCL10やRANTESの遺伝子発現が,それぞれのサイトカイン単独で刺激した場合よりも亢進しており,エクソソームが炎症性メディエータとして機能することが明らかとなった.網羅的サイトカイン測定によっても同様の結果が得られており,そのパターンから活性化する転写因子の検討を行った.これら実験系による遺伝子発現の一部はNFkB阻害剤で抑制されることから,エクソソーム由来のRNAやDNAを外来核酸として認識する細胞内受容体のTLR3, 9およびRIG-IについてRNA干渉によるRASFの発現抑制実験を行った.RIG-Iの発現抑制においてのみエクソソーム誘導性遺伝子発現が一部抑制されたが,その遺伝子発現抑制は顕著ではなく,他の核酸認識受容体や補助因子の解析が必要と考えられた.RASFにおいてTNFαやIFNγ刺激によって発現が亢進し,NFkB活性化に関与する核酸認識受容体やその補助因子の発現をさらに詳しく検討し,外来核酸の重合化を促進し核酸認識受容体へのシグナル伝達を増幅するタンパク質を同定した.本タンパク質はウイルス核酸やnon-coding RNAなどと結合する可能性のあるタンパク質であり,IFN刺激によってRASFにおける発現が亢進することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の核酸認識受容体について検討が必要であったが,従来報告されているパターン認識受容体とは異なる外来核酸結合タンパク質の同定ができた.
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Strategy for Future Research Activity |
核酸認識受容体に外来核酸の橋渡しをする核酸結合タンパクを同定できた.同タンパク質の発現調節機構を解明し,エクソソーム誘導性シグナルに重要な伝達経路の同定を目指す.研究計画書にあげている動物実験については,モデルマウスの検討も含め多くの課題があることが判明した.その実験動物作成の技術提供なども含め,今後は共同研究者を募り動物実験に関する遺伝子組み換え実験の申請,動物実験に係る倫理審査などの準備を進める予定である.
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Research Products
(1 results)