2018 Fiscal Year Research-status Report
自己炎症バイオマーカーによるリウマチ性疾患の新たな分類と治療法の確立
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17K09981
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
右田 清志 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60264214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 健 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70293701)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己炎症 / インフラマソーム / カスパーゼ1 / IL-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫疾患は、自己免疫/自己炎症の病態に占める比率により再分類されており、これまで自己免疫疾患と考えられてきた疾患の一部は、現在、自己炎症疾患であることがわかっている。自己炎症疾患の中でも、疾患の発症メカニズムで最も多いのはインフラマソーム機能異常症である。インフラマソームは、パターン認識受容体であるNOD様レセプター(NLR)とアダプター分子であるASCとカスパーゼ1からなる蛋白複合体である。インフラマソームは内因性のストレス分子により活性化され、最終的に活性化されたカスパーゼ1によりIL-1βの前駆体が活性型IL-1βに変換されて自己炎症が誘導される。従って、自己炎症疾患を識別できるサイトカイン(signature cytokine)はインフラマソームで活性化されるIL-1β、IL-18などのサイトカインである。このインフラマソームで活性化されるIL-1β、IL-18を検出する方法を確立することで、自己免疫疾患/自己炎症疾患を識別することが可能である。本研究では、自己炎症疾患に特異的なsignature cytokineである活性型IL-1β、活性型IL-18を測定系を確立させ、患者血清などの生体試料を用い両疾患を鑑別するシンプルなアッセイ系を確立することである。具体的には、自己炎症疾患として成人発症スティル病(AOSD)、自己免疫疾患としてSLE、関節リウマチ(RA)患者血清を用い、活性型IL-1β、IL-18を測定する技術を確立させ、免疫疾患を自己炎症/自己免疫のベクトルで再分類する方法を確立することにある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炎症性サイトカインであるIL-18は、IL-1βと同様にインフラマソームの活性化によりカスパーゼ1で切断され活性型IL-1βに変換され、炎症が諾起される。申請者らは、IL-18の全長に対する抗体とカスパーゼで切断されたIL-18のN末端を認識する抗体を作製した。この二つのモノクローナル抗体を用いることが活性型IL-18を特異的に検出する方法を確立し、AOSD患者で活性型IL-18が特異的に検出されることを明らかにした。さらに、AOSD患者のゲノム解析で血清アミロイドA(SAA)のプロモーター領域の遺伝子多型-13C/TにおいてAOSD患者ではTアリルの頻度が高いことを明らかにした。SAAは、インフラマソームを活性化させる内因性の生理分子であり、-13Tアリルはアミロイド原性に関わることが知られており、日本人におけるAAアミロイドーシスのリスク因子であることが示されている。今年度の研究成果により、自己炎症疾患はインフラマソーム活性化に関わる分子の遺伝子多型で発症リスクが異なることを明らかにした。さらに、自己炎症疾患のsignature cytokineであり、活動性を反映するバイオマーカーである活性型IL-18の測定系を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
自己炎症疾患である若年性特発性関節炎、自己炎症病態が考えられる血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群で活性型IL-18を測定すると同時に自己免疫疾患であるSLE、RAなどの疾患でも測定し、自己炎症疾患/自己免疫疾患を識別できるか明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は、実験系を確立するためのリサーチ(文献検索)や実験技術の確立に時間を要したため、研究費の支出がやや少なくなったが、実験系が稼働して来た来年度には多くの研究試薬が必要になると考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Serum amyloid A1 (SAA1) gene polymorphisms in Japanese patients with adult-onset Still's disease.2018
Author(s)
Yashiro M, Furukawa H, Asano T, Sato S, Kobayashi H, Watanabe H, Suzuki E, Nakamura T, Koga T, Shimizu T, Umeda M, Nonaka F, Ueki Y, Eguchi K, Kawakami A, Migita K.
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Journal Title
Medicine (Baltimore)
Volume: 97(49)
Pages: e13394
DOI
Peer Reviewed / Open Access