2018 Fiscal Year Research-status Report
皮膚筋炎の新たな標的臓器である筋膜組織における網羅的遺伝子解析
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17K09985
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 健 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20398796)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 皮膚筋炎 / 多発性筋炎 / 筋膜 / 筋膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚筋炎(dermatomyositis: DM)は,主に皮膚と骨格筋に炎症をきたし,ときには重篤な間質性肺炎を合併する原因不明の自己免疫性疾患であり,予後不良の経過をたどることも少なくない.申請者は,①DM における炎症は筋膜で高率に起こり,②かつ,筋膜から始まり徐々に筋組織に進展する傾向があることを MRI と筋膜を含む筋生検(en bloc biopsy)によって示した.本研究は,DM の筋膜に発現している遺伝子を網羅的に解析し,DM の病態に関連する発現遺伝子を明らかにすることを目的とする. 平成29年度および30年度は本研究に同意をされた PM/DM 患者において,局所麻酔下にen bloc biopsy 法(既に現在進行している臨床研究で確立した方法である)で皮下組織,筋膜,筋肉を一塊に採取した.このMRI ガイド下による生検法ではサンプリングエラーがほとんどなく(5%未満),得られた組織の一部をOCTコンパウンドに包埋し,凍結したブロックを-80℃で保存した。薄切された凍結切片のHE染色情報をもとに研究申請者の指示のもと受託業者によりレーザーマイクロダイセクションによって筋膜組織と筋組織に分け,それぞれの組織からRNAを抽出し,RNA-seq ライブラリーを作製する予定であった.しかし,昨年度までに検体数がまだ十分でなく,検体数がある程度まとまった数での依頼を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究対象の新規症例が少なかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度も引き続き本研究の同意を得られた症例からのサンプルを収集する.現時点で目標症例の半分以上に達しているが,3年間で収集されたサンプル数が目標以下の場合は,凍結ブロック以外に既に確保されてあるパラフィンブロックを使用した解析も検討する.また,期間延長により凍結サンプルが収集できそうなら期間延長を検討する.
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Causes of Carryover |
2017年度,2018年度はサンプル収集のみで,次のステップである受託業者によるレーザーマイクロダイセクションを用いた筋膜組織と筋組織との分離およびそれぞれの組織からのRNA抽出を行っていないため研究費を次年度に繰り越した.2019年度,サンプル数がある程度まとまればレーザーマイクロダイセクションを用いた組織の分離,RNA 抽出,RNA-seqライブラリー作製,RNA-seq解析等の費用に充てる予定である.
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