2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K10002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楢崎 雅司 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (00467573)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢や腸内細菌による代謝物の変化は人体に様々な影響を及ぼす。研究代表者らは関節リウマチ患者では健康人と比べて腸内細菌叢にPrevotella copri(P.copri)菌が増加 し、Bifidobacteriumが減少していることを明らかにしてきた。こうしたdysbiosisが関節リウマチに罹患した事に由来するのか、関節リウマチを引き 起こす原因に関与しているのかは明らかにしなければならない重要な議論である。これまで関節リウマチ患者のP. copri菌を含む便を関節炎モデルマウスに経口投与させてマウスの大腸に定着させると、健康人の便を定着させたマウスと比べて関節炎が増悪することを示し、P. copri菌が関節リウマチを引き起こす環境因 子ではないかと提唱した(Maeda Y et al., Arthritis Rheumatol. 68(11):2646-2661. 2016)。 学内の岡田随象教授らと共同研究を行い日本人(関節リウマチ患者82人、コントロール42人)での検体を収集しサンプルあたり平均13 Gbの腸内細菌叢の全ゲノムショットガンシーケンス解析を実施したところ、関節リウマチ患者ではP. copri以外にもPrevotella denticolaなどのPrevotella属に属する複数の菌種が豊富に存在し、また、コントロールと比較して関節リウマチ患者の腸内細菌叢ではレドックス反応関連遺伝子が大きく減少していることを報告した(Kishikawa T et ak., Ann Rheum Dis. 79(1):103-111 2020)。 様々な炎症性疾患の病態に関与するサイトカインIL-6の作用とIL-6阻害薬の有効性を網羅し総説にまとめ発表した(Kang S et al., Immunity 50;1007-1923 2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2010年ACR/EULAR関節リウマチ分類基準を満たす関節リウマチ患者で、新規発症時、治療し疾患活動性が低下した後、再燃時など、複数回便の供与とともに血清検体を頂き、 凍結保存とともに腸内細菌のmRNAを抽出保存、血清成分を集積している。同時に検体採取時に性別、喫煙歴、発症年齢、罹病期間、疾患活動性、CRPや血沈など の炎症マーカー、リウマトイド因子や抗CCP抗体などの自己抗体力価、関節破壊ステージ分類、治療内容などの臨床情報を集積している。臨床検体の集積状況が研究進展に関与している。
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Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチの治療前後での腸内細菌叢に変化が生じるかを検討する。関節リウマチ患者で認められる特徴的な菌を同定しているが、その菌を有していても関節 リウマチを発症していない健常人がいる。関節リウマチ患者と健常人での同菌に差がないか菌のゲノム解析を行う。関節リウマチ治療はメソトレキセート が基本となるが、治療によって関節リウマチが寛解した場合と活動性が残る場合で、特徴的な菌の菌量に変化がないか解析する。寛解に到達したあと、投薬を中止 すると殆どの患者で関節リウマチが再発するが、再発しない例も1~2割存在する。再発する患者と再発しない患者で腸内細菌叢の変化を観察する。このような 腸内細菌の解析によって関節リウマチの寛解予測やdrug free寛解予測に寄与できないか検討する。 関節リウマチ患者が炎症をおこしやすい腸内細菌叢になっていないかをin vitroで評価できる系の確立を目指す。その系を用いて関節リウマチをはじめ様々な炎 症性疾患の患者の腸内細菌叢の炎症誘導能を調べ腸内細菌叢が炎症誘導型かそうでないか判断できる測定系を確立していく。
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Causes of Carryover |
関節リウマチを中心とした臨床検体の集積を進めて解析を行っているが、ばらつきが少ない治療介入前の検体を集積し ていることと、解析に時間を要しているため当初の計画から遅延が発生しているため。
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[Journal Article] Metagenome-wide association study of gut microbiome revealed novel aetiology of rheumatoid arthritis in the Japanese population2020
Author(s)
Kishikawa T, Maeda Y, Nii T, Motooka D, Matsumoto Y, Matsushita M, Matsuoka H, Yoshimura M, Kawada S, Teshigawara S, Oguro E, Okita Y, Kawamoto K, Higa S, Hirano T, Narazaki M, Ogata A, Saeki Y, Nakamura S, Inohara H, Kumanogoh A, Takeda K, Okada Y.
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Journal Title
Annals of the Rheumatic Diseases
Volume: 79(1)
Pages: 103~111
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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