2017 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫疾患の特異的免疫記憶の分子機構の解明と治療戦略の開発
Project/Area Number |
17K10005
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
有馬 雅史 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00202763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康次 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00254996)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20208523)
谷口 俊文 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20724826)
倉沢 和宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30282479)
杉山 公美弥 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30364582)
大和田 高義 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30456016)
平田 博国 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60326890)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ADAR1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2本鎖RNA編集酵素であるAdenosine Deaminases Acting on RNA-1(ADAR1)遺伝子改変マウスを用いた自己免疫疾患動物モデルを解析して疾患特異的な免疫機構の解明に繋がる探索的研究を行うことにより、ADAR1に着目した治療応用の基盤を確立することを目的とする。平成29年度は生理的なADAR1 の各免疫系細胞における機能を中心に解析を行った。主にOX40プロモーターによって発現するCreマウスを使用することによって、活性化T細胞特異的ADAR1-KOマウスを解析した。1)胸腺内CD4/CD8 T細胞の分画比率はADARの存在の有無に影響されなかった。2)無刺激の脾臓内CD4+T細胞のナイーブおよびメモリー分画比率はADAR1の存在の有無に影響されなかった。3)DNP-OVA腹腔内投与による免疫後9日のTFH細胞(CXC5+PD1+)分画はADAR1cKOで有意に増加した。一方、TFH細胞の中でGC-TFH細胞(GL7+)はADAR1cKOで有意に減少し、IL-21やIL-4の産生が低下していた。4)脾臓内の胚中心形成がADAR1-cKOで抑制された。5)DNP特異的IgGの血清抗体価はADAR1cKOで有意に減少した。以上よりADAR1はTFHからGC-TFHの分化の促進に関与することによって胚中心の形成を介して獲得免疫系の成立に極めて重要な役割を果たしていると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ADAR1ストレートノックアウトマウスは胎生致死を示すことから、コンディショナルノックアウトマウスの使用により細胞特異的にADAR1を欠損させて実験を行うことを基本方針としている。そこでOX40プロモーター支配下CreマウスによりTリンパ球特異的ADAR1cKOマウスを使用する予定であったが、ADAR1flox/flox-cKOマウスの約60%が生後3Wで自然死するため、実験に使用するマウスの確保が困難であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ADAR1flox/flox-cKOマウスに加え、ADAR1+/flox-cKOマウスを解析することによってgene dosage効果について解析して、ADAR1の生体における各免疫担当細胞に対して安定的に解析できるようにする。さらにImiquimod を経皮的に週3 回、4 週間反復投与することによりSLEモデルを作製して抗DNA 抗体の検出およびループス様腎炎の病理的解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
実験に使用する抗体の納入が当該年度内に間に合わなかった。
|