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2017 Fiscal Year Research-status Report

ヒト末梢血T細胞トランスクリプトームと腸内細菌叢の生理的・病理的関連検討

Research Project

Project/Area Number 17K10009
Research InstitutionSt. Marianna University School of Medicine

Principal Investigator

清水 潤  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30509964)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords腸内細菌メタゲノミクス / Th17細胞 / 制御性T細胞 / ベーチェット病 / 多発性硬化症 / 再発性多発軟骨炎
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、腸内細菌メタゲノムデータと、ヒトリンパ球機能のうち網羅的遺伝子発現解析データの相関を、各種免疫疾患にて検討するものである。近年の研究の進展によって、腸内細菌の種類とヒトの健康・疾病との関連が徐々に明らかになってきている。そこで腸内細菌種と関連が強く、さらにはT細胞機能に多大な影響を及ぼしている遺伝子の発現を探索することを目標とした。
初年度のメタゲノムおよびリンパ球機能解析の研究実績の概要は以下の通りである。
患者会の協力を得て、指定難病である免疫疾患「再発性多発軟骨炎」におけるメタゲノムサンプル25個とT細胞サンプル22個を収集し得た。比較用の健常人サンプルもそれぞれ27個、11個収集した。メタゲノムサンプルは本研究組織にて開発した方法ですべて解析を終了した。
T細胞機能解析に関しては、費用の面もあり網羅的解析の準備段階として、RT-PCRを用いて主だったT細胞分化サイトカインの遺伝子発現を全サンプルにて解析し得た。いままでの我々のT細胞研究より、できるだけ簡便な解析方法を確立し得たと考えている。
メタゲノムの結果は再発性多発軟骨炎患者と健常人に特徴的な腸内細菌種をあわせて25菌種選択することができた。その中の数種の菌の発酵過程から、T細胞機能の変化を予測したところ、それに近い結果を得ることができた。すなわち、「腸内細菌が末梢血T細胞分化に影響を及ぼしている」というプロジェクト当初からの仮説の証明に一歩近づくことが可能であった。ここまでの研究結果は論文化し投稿中である。
研究開始当初の計画では網羅的検討を考慮していたが、最も効果的と考えられるターゲット遺伝子を少なくとも一疾患にて確保することができたと推察する。すなわちこの検索方法を中心として他疾患での検討が可能となったと思われる。また、このことによって、エピジェネティクス解析も容易となったため、準備を開始する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前述したように、初年度のメタゲノムおよびリンパ球機能解析の研究内容はおおむね計画通りに進捗したと考えている。
繰り返しとなるが、患者会の協力を得て、指定難病である免疫疾患「再発性多発軟骨炎」におけるメタゲノムサンプル25個とT細胞サンプル22個を収集し得た。比較用の健常人サンプルもそれぞれ27個、11個収集した。メタゲノムサンプルは本研究組織にて開発した方法ですべて解析を終了した。
T細胞機能解析に関しては、費用の面もあり網羅的解析の準備段階として、RT-PCRを用いて主だったT細胞分化サイトカインの遺伝子発現を全サンプルにて解析し得た。
その結果、網羅的解析をせずに「再発性多発軟骨炎」におけるエピジェネティックな解析を解析をすべき遺伝子を選定することが可能であった。この知見はおそらく他疾患にも応用可能なのではないかと推測している。すでにその確認を実行している。
次回の「再発性多発軟骨炎」におけるサンプルの収集は8月の患者会に合わせて実施する予定にしている。また「ベーチェット病」のサンプル回収も本研究組織内にて開始した。その他の疾患についても収集を検討したい。
これらのデータ相互の関連検討も終了しており、すでに論文化もほぼ終了した。「再発性多発軟骨炎」関連の発表も多く認めるアメリカリウマチ学会での公表を予定している。

Strategy for Future Research Activity

前述のように、①対象疾患の拡大と②エピジェネティクス解析の実行を方策の中心とする。
①対象疾患の拡大
「ベーチェット病」にてサンプルの収集を開始している。解析は前述のように末梢血の細胞よりRT-PCRにて遺伝子発現を観察する。「再発性多発軟骨炎」とメタゲノムの結果と併せて比較する。その結果を見て必要であれば網羅的解析(RNA-seq)を用いることも検討するが、可能性は低いと考えている。さらにT細胞の疾患と考えられている「多発性硬化症」も解析対象として考慮する。
②エピジェネティクス解析
遺伝子発現解析にて選別された遺伝子を対象に、バイスルファイト法とクロマチン沈降法にてエピジェネティクス解析を実施する。前述の「ベーチェット病」と「再発性多発軟骨炎」に関しては、現在のところそれぞれ対象を1遺伝子にする予定であり、その間の相関を時間経過とともに観察する。

Causes of Carryover

<理由>
解析器材の消耗品単価が高額であるため。
<使用計画>
二年目となるため、今回の消耗品の購入計画を年当初より綿密に立てる。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Organ involvement pattern suggests subgroups within relapsing polychondritis2018

    • Author(s)
      Shimizu J, Yamano Y, Yudoh K, Suzuki N.
    • Journal Title

      Arthritis Rheumatol.

      Volume: 70 Pages: 148-149

    • DOI

      doi: 10.1002/art.40330.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Neuronal Cell Sheets of Cortical Motor Neuron Phenotype Derived from Human iPSCs.2017

    • Author(s)
      Suzuki N, Arimitsu N, Shimizu J, Takai K, Hirotsu C, Ueda Y, Wakisaka S, Fujiwara N, Suzuki T.
    • Journal Title

      Cell Transplant.

      Volume: 26 Pages: 1355-1364

    • DOI

      doi: 10.1177/0963689717720280.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ヒト末梢血T細胞分化関連遺伝子発現と腸内細菌叢の病理的関連検討2017

    • Author(s)
      清水 潤、鈴木 登
    • Journal Title

      Medical Science Digect

      Volume: 43 Pages: 653-656

  • [Presentation] An abundance of butyrate-producing bacterium in the intestine and increased Foxp3 gene expression of T cells in patients with relapsing polychondritis2017

    • Author(s)
      Shimizu J, Kubota T, Suzuki N
    • Organizer
      米国リウマチ学会
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] ベーチェット病で認められた腸内細菌叢のDysbiosis2017

    • Author(s)
      清水 潤、久保田孝雄、鈴木 登
    • Organizer
      日本内科学会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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