2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathological relationship between gut microbiota and peripheral T cell function in human inflammatory diseases
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17K10009
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
清水 潤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30509964)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢メタゲノミクス / T細胞機能 / ベーチェット病 / 再発性多発軟骨炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究の進展によって、腸内細菌の種類や菌遺伝子機能とヒトの健康・疾病との関連が徐々に明らかになってきている。本研究は、腸内細菌叢メタゲノミクスのデータ(菌種・菌遺伝子機能)と末梢血T細胞機能の、生理的・病理的相関をヒト免疫疾患にて検討するものである。 東京大学 服部正平教授の確立した腸内細菌叢メタゲノミクスに加えて、我々が開発したT細胞機能評価法にて、指定難病「ベーチェット病」および「再発性多発軟骨炎」にて研究を開始した。その結果、腸内細菌叢メタゲノミクスの健常人に比較した異常を英文3報にて報告した。対するT細胞機能異常に関しても英文で公表している。この2疾患は本研究機関が班研究を実施したものであるが、臨床像より近縁疾患とされている。ところが腸内細菌叢メタゲノミクスおよびT細胞機能研究の結果は、全く異なるものとなった。結果を簡略化すると、ベーチェット病では腸内細菌数が減少、末梢血T細胞機能が亢進しているのに対して、再発性多発軟骨炎では腸内細菌数が増加、末梢血T細胞機能は低下していた。 2019年度研究では最終年度として、まず解析試料を増加させ再現性を確認した。さらに再発性多発軟骨炎においては、末梢血T細胞機能の低下と、軟骨炎の原因物質の候補が相関していることを発見した。現在さらに解析を継続しており、まとまり次第公表する。 また、この特徴的な2疾患を対比させた総説を公表した。この総説の内容につき国際学会より招請を受け、今秋発表予定としている。 腸内細菌叢とT細胞機能の連関の機序としては、昨年の報告と同様に腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸を重要視している。短鎖脂肪酸の重要性に関しては、文献的にも大筋においてコンセンサスを得ているものと考える。今後はさらに他疾患にて、この研究を継続する。
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Research Products
(6 results)