2017 Fiscal Year Research-status Report
Application of autophagy-inducing factor Atg1 for candidiasis
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17K10018
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
島村 真太郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (30547138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰可 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (60448496)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 病原性 |
Outline of Annual Research Achievements |
カンジダ属は日和見感染において代表的な病原真菌の1つであり、健常者にも存在する常在菌であることから、 カンジダ症発症後の治療に加えて、発症が予想される状況での予防も重要となる。細胞の自食機構であるオートファジーは飢餓状態や宿主免疫への抵抗に重要である。オートファジーはカンジダが常在菌として生存し続けるのに重要であると予想されるが、カンジダにおけるオートファジーの解析は少ない。そこで本研究者らが、臨床で高頻度で分離され実験モデルとしても優れているCandida glabrata を用いて、オートファジー誘導因子ATG1 を欠損させたところ病原性が低下した。この結果を元に、Atg1 を標的としたカンジダ症予防薬の開発に繋げることが本研究の目的であり、これは感染症対策にオートファジーを用いる初の試みである。これまでに生命現象としてのオートファジーを観察した。過酸化水素やマクロファージ以外のオートファジー下流を解明した。Atg1のカンジダ症予防の標的としての検討を行った。今後は、過酸化水素やマクロファージ以外のオートファジー下流の解明をさらに進展させる。Atg1のカンジダ症予防の標的としての検討を進める。最終的に、Candida glabrataを抑制する候補分子を得ることを目指す。過酸化水素やマクロファージ以外のオートファジー下流についても応用を検討する。Atg1のカンジダ症予防の標的としての一定の結論を出す。また、上手く行かなかった時は、Atg1の代わりにAtg9なども解析対象とする、Atg1の阻害様式を変えてみる、Atg1の更に上流を検討するなどの対策を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全般的には目的に沿うかたちで進行している。生命現象としてのオートファジーの観察、過酸化水素以外のオートファジー下流の検討といった予定されていた解析を順調に進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
過酸化水素やマクロファージ以外のオートファジー下流を解明する。Atg1のカンジダ症予防の標的としての検討を行う。これらの実験により、Candida glabrataを抑制する候補分子を得ることを目標とする。これらの実験が上手く行かなかった場合、Atg1以外の解析対象の模索、オートファジー阻害様式の変更、Atg1上流を視野に入れるなどの対策を行う。
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Causes of Carryover |
研究全般の進行としては想定内だったが、基礎的な試験管内実験の比率が多くなった。逆に動物実験や受注抗体による実験などは少なくなり、これらを次年度以降に行う予定である。
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