2017 Fiscal Year Research-status Report
肺MAC症の治療効果を予測するバイオマーカーの探究
Project/Area Number |
17K10023
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 穣 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80362482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新實 彰男 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30252513)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Mycobacterium avium / LL-37 / 抗菌活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺Mycobacterium avium complex(MAC)症患者の気管支肺胞洗浄(BAL)中のヒト抗菌ペプチドcathelicidin/LL-37がMAC症治療の治療効果を予測するバイオマーカーとなることを明らかにするために、これまでに8例にBALを行っているが、平成29年度に新たに肺MAC症疑い例15例に同意を得てBALを施行した。7例にM. aviumを検出し、6例に治療を開始している。これまでに合計14例が解析可能な症例としてエントリーされた。 臨床分離株22株(M. avium 12株、M. intracellulare 10株)に対するLL-37の最小発育阻止濃度(MIC)は20μg/ml以上と、LL-37自体の抗菌活性は弱かった。M. avium GTC603標準株をLL-37(0, 0.2, 2, 20μg/ml)存在下に96時間培養した後の菌量(colony-forming unit)を測定し、20μg/mlで有意にCFUの減少を認めた。LL-37 (0, 1, 2.5, 5, 10, 20 μg/ml ) 存在下のクラリスロマイシン(CAM)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)、ストレプトマイシン(SM)、モキシフロキサシン(MFLX)のMIC50/90は、CAMではLL-37 2.5μg/ml、RFPは LL-37 5μg/ml 、EBはLL-37 1μg/ml、SMはLL-37 5μg/ml、MFLXはLL-37 5μg/mlから有意に低下し、いずれの抗菌薬に対してもLL-37は抗菌活性を増強させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に15例の患者に気管支肺胞洗浄を行ったが、MAC菌が培養されなかった症例が多かったため目標症例数に達しなかった。 LL-37の抗菌活性の検討については、現在論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
気管支肺胞洗浄を行う患者のエントリーを継続しつつ、京都医療センターと共同研究を行い症例集積、検体収集していく。
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Causes of Carryover |
症例集積が少なかったため、LL-37の測定を行わなかった。症例が集まり次第、ELISAキットを購入し、LL-37の測定を行う。
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Research Products
(2 results)