2018 Fiscal Year Research-status Report
多剤耐性菌の生体防御機構からのエスケープ機序解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
17K10032
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
斧 康雄 帝京大学, 医学部, 教授 (10177272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 智 帝京大学, 医学部, 助教 (10409386)
永川 茂 帝京大学, 医学部, 講師 (50266300)
佐藤 義則 帝京大学, 医学部, 助教 (90455402)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アシネトバクター・バウマニ / 好中球 / マウス肺感染モデル / 昆虫感染モデル / MDRA / KPC産生肺炎桿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性菌であるアシネトバクター・バウマニ(A. baumannii )やKPC産生肺炎桿菌の病原性について検討し以下を論文及び学会発表した。1)多剤耐性アシネトバクター(MDRA)の病原因子の解析では、本学アウトブレイク株を用いて、その薬剤感受性や詳細な耐性遺伝子の解析を実施すると共に、本菌を用いたマウス肺感染モデル(Nagakawa S, et al)や昆虫感染モデルを確立し薬効評価した成績を学会や論文で報告した(Nishida S,Ono Y:Infection and Drug Resistance, 2018)。2)A. baumannii は高齢者での感染発症が予後不良であるため高齢マウスの菌血症モデルを用いて、免疫担当細胞の応答性の変化や病原性の違いを野生マウスと比較検討し学会発表した(Sato Y, et al)。3)当院においてMDRA、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、KPC産生肺炎桿菌が同時に分離された症例について学会及び論文発表を行った(Nishida S, et al:International Journal of Antimicrobial Agents, 2018)。4)更に、KPC産生肺炎桿菌株についてはゲノムシーケンス解析を行い、学会発表及び特許出願(特願2019-006012)を行い現在論文投稿中である(Nishida S, et al)。5) A. baumanniiのLPSや莢膜欠損株を作成し好中球との相互作用や病原性の差異を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体防御機構からのエスケープ機構の解析に関しては、好中球との相互作用を中心に、おおむね順調に計画は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年は、動物感染モデルを用いての成績をまとめ、莢膜や外膜タンパク、LPSなどを遺伝子的に欠損させた病原菌を用いた検討で、重要な病原因子を明確にし、病原因子をターゲットとした抗体療法などの新規治療法の開発につなげたいと思っている。
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Causes of Carryover |
研究データの解析結果から、2019年度は追加実験すべき動物の購入や高価な試薬購入を考えているため、2018年度の予定予算の使用額が少なくなり次年度に持ち越しました。
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Research Products
(9 results)