2019 Fiscal Year Research-status Report
キノロン系抗菌薬の新規酸化ストレス測定法を用いた、酸化・抗酸化能の評価
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17K10039
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 圭創 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (00315293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤崎 さとみ 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (90780891) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / ラジカル消去活性 / ニューキノロン / キサンチンオキシダーゼ / 好中球 / フェントン反応 / i-STrap / 脂質ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューキノロン系抗菌薬の酸化・抗酸化能を測定し、薬剤の酸化・抗酸化能を基礎にした新しいプロファイリングを作成するために、①UVによるラジカル生成系、②フェントン反応系、③キサンチンオキシダーゼ系、④好中球系などの生成系でラジカルを産生させ、これに各種ニューキノロンを加えることで、ラジカル生成増強があるかそれとも消去するか薬剤ごとに検討した。その結果、①UVによるラジカル生成系、②フェントン反応系におけるヒドロキシラジカル消去活性は、キノロン間で大きな差は無かった。③キサンチンオキシダーゼ系におけるスーパーオキサイド生成抑制効果は、基本骨格中にハロゲンがあるものの消去活性が大きいことが分かった。④好中球系でも、同様に、基本骨格中にハロゲンがあるものの消去活性が大きいことが分かった。次に、i-STrapを用いてin vitro系で測定したところ、脂質ラジカルの関与があるためか、必ずしも、③キサンチンオキシダーゼ系や④好中球系で、効果が大きいものが、そのまま反映していなかった。そこで、t-BuOOH/Hemoglobinなどの脂質ラジカル生成系を用いた、DMPOを使ったスピントラップ法を用いて、検討した結果、脂質ラジカルの消去活性は、これまでの含めた検討を行った結果、即ちスーパーオキサイド生成抑、ヒドロキシラジカル生成抑制系とは、少し異なる抗酸化活性の挙動を示すことが判明した。続いて、細胞毒性の検討を行った、その結果、細胞毒性は、脂質ラジカルの量に比例して多くなり、これに対する消去活性が強いキノロン剤が、抗細胞毒性効果も強いことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①UVによるラジカル生成系、②フェントン反応系、③キサンチンオキシダーゼ系、④好中球系以外に、脂質ラジカル系についての検討をおこなった、このt-BuOOH/Hemoglobin系の脂質ラジカル系の結果もプロファイリングの項目に、加えて、in vitroの抗酸化活性のプロファイリング表は完成させることが可能となった。 ②脂質ラジカルの中で、アルキルラジカル、アルコキシルラジカル、アルキルパーオキシルラジカルのどのラジカルの消去活性が抗細胞毒性抑制活性と相関するか検討中に、電子スピン共鳴装置の修理が必要となり、最後まで研究が到達できなかった。 電子スピン共鳴機の修理が終わり、本年に残った、脂質ラジカルの種類による違いのプロファイリングを完成させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞毒性阻害作用の検討に加えて、脂質ラジカルの種類別消去活性のデーターを加えて、研究を完了する予定である。
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Causes of Carryover |
脂質ラジカルの中で、アルキルラジカル、アルコキシルラジカル、アルキルパーオキシルラジカルのどのラジカルの消去活性が抗細胞毒性抑制活性と相関するか検討中に、電子スピン共鳴装置の修理が必要(約3か月)となり、最後まで研究が到達できなかった。
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