2017 Fiscal Year Research-status Report
ナトリウムチャネルNav1.9遺伝子改変マウスを用いた痛みモニターの研究
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17K10047
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
野口 篤子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70400497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 勉 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20270845)
尾野 恭一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70185635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Nav1.9 / 遺伝子改変マウス / ピエゾ素子式心拍呼吸モニタリング / 小児四肢疼痛発作症 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定に沿って、はじめに京都大学医学研究科環境衛生学教室でCRISPR/Cas9法により作成した、Scn11a R222S knock in系統(Scn11aR222S/WT)の雄マウスから採取した精子を、ガラス化法によりストローに凍結し、環境衛生学教室から秋田大学まで送付していただいた。その後、Scn11a R222S knock in系統の凍結精子を融解し、培養。またC57BL/6系統の雌マウス(3匹)の卵管膨大部より未受精卵を採取し、体外受精用培養液のドロップ内に導入し、卵子を含む培養液内に、前培養した精子を適量添加・媒精。3時間後、正常な卵子のみを卵子洗浄用培養液のドロップで洗浄し、一晩培養し、仮親(ICR系統の雌マウス)マウスに、体外受精で作製した二細胞期胚を移植した。その後出生したマウスの遺伝子型を確認するためTaqMan Genotyping Master Mix・Custom TaqMan SNP Genotyping Assaysを用いてマウスのgenotypingを行い、knock in マウスの選別を行った。 1:正常マウスの疼痛発作:正常マウスに疼痛刺激を与え、非侵襲性ピエゾ素子方式モニターにて自律神経系の変化の検出を試みた。 2:次に、上記にて作成したNav1.9(p.R222S)遺伝子改変マウスの行動観察を行い、通常の飼育環境下で行動様式の変化がないことを観察したうえで、自然環境下における気圧変動(外気の気圧を連続モニタリング)し、および気圧変動チャンバー内での低気圧下でのマウスの行動観察を行った。しかしマウス行動が多様で、大気圧変動による微細な変化を描出することが難解であり、現在条件の再設定を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子改変マウスの作成に若干時間を要したために、行動観察の開始がかなり遅れたことが上げられる。またピエゾ素子式モニタでは、マウスの粗大運動が目立つためにヒトよりもアーチファクトが膨大であるために、実際の疼痛発作と遺伝子変異の関係性を評価するには難しい可能性が浮上している。 そのため、マウス行動観察の評価方法として、運動量測定装置nano tagを導入することを検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、遺伝子改変マウスの行動変化の差異の検出を試みる。そのため、マウス行動観察の評価方法として、運動量測定装置nano tagをマウス背部皮下に埋め込み、運動量を持続してモニタリングする。これにより、ピエゾ素子式モニタでは検出しえないような粗大な運動量の記録を行う。 低気圧下での評価が終了したら、温度環境を変化させた場合の行動観察に進む。
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Causes of Carryover |
端数の少額であるため、平成30年度分と合わせて、人工遺伝子合成等に使用予定である。
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