2019 Fiscal Year Research-status Report
パーソナリティー形成におけるヘッジホッグシグナルの役割
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17K10048
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内川 英紀 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (80618059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 克則 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70344992)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘッジホッグシグナル / ゴーリン症候群 / パーソナリティー |
Outline of Annual Research Achievements |
パーソナリティー形成におけるソニックヘッジホッグ(Shh)シグナルの役割を解明するため、Shhシグナルが亢進しているGorlin症候群患者とそのモデルマウスを対象に研究を進めている。 2019年度はGorlin症候群のモデルマウスであるPtc1遺伝子ヘテロ接合性ノックアウトマウス(Ptc1+/-)の脳内神経伝達物質濃度測定と行動実験を行っている。 脳内神経伝達物質濃度測定は、8週齢のGorlin症候群モデルマウス(変異型)と野生型を用いて、大脳、小脳、基底核に分けて測定した。セロトニンは10匹ずつで測定し、中央値は変異型:野生型で大脳14.275ng/ml:12.25 ng/ml、小脳0.2375 ng/ml:0.265 ng/ml、基底核18.95 ng/ml:13.35 ng/mlで大脳と基底核で変異型が高めだったが有意差は認めなかった。5-HIAAは4匹ずつで測定し、基底核は変異型で高めだったが大脳小脳は野生型で高めだった。いずれも有意差は認めなかった。ドーパミンも4匹ずつで測定したが有意差を認めなかった。以上より脳内神経伝達物質濃度について変異型で一定の傾向を示すことはなかった。 行動実験については、オープンフィールド試験を8週齢の変異型3匹、野生型3匹で行った。走行距離は変異型41172.77mm・野生型30556.71mm、中央部の滞在時間は変異型29.24秒・野生型21.36秒であり、変異型で不安様行動の減少傾向がみられたが有意差は認められなかった。次に高架式十字迷路試験を9週齢の変異型3匹、野生型3匹で行った。オープンアームの滞在時間が変異型10.9%・野生型41.3%で上記とは逆に変異型で不安様行動の増加傾向が見られたが有意差は認められなかった。現在手がかり学習恐怖条件付け試験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ゴーリン症候群のモデルマウスがなかなか増えず、実験できるだけの個体数の確保が困難のため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゴーリン症候群のモデルマウスと野生型とで手がかり学習恐怖条件付け試験を行い、神経伝達物質特にセロトニンに関連した不安や恐怖等の情動機能を評価する。 また、ゴーリン症候群患者で扁桃体体積の左右差が見られたことから、マウスにおいて扁桃体の体積を、MRIを用いて計測する予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの管理と、行動実験関連の物品が必要。 論文作成と学会発表の費用も必要となる。
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Research Products
(1 results)